これはもはや表現が芸術の域 「シミの悩みが7日間で消えた!」「塗るだけでほうれい線が!?」
どういうわけか、Youtubeの広告にスキンケア系の広告が出ることがある。自分に対するターゲティング広告なら、きっとなにか響くものがあるのかもしれないと、広告の仕組みとしての興味から2分程度のスキンケア用品の広告をながめていた。
Youtube広告の広告芸の数々
広告が始まるやいなや、のっけから驚愕のフレーズの数々。これはもはや広告というよりも、広告芸を極めた芸術の域に達していると言わざるを得ない。ニヤニヤしながら眺めていると、うっかり広告を全部見てしまうほどだ。
シミの悩みが7日間で消える
動画のなかでさらっと聞き流してしまうと、シミが7日間で消えるなんてそんな大胆なこと言ってもいいのか?と思ってしまうが、よく聞いてみると言っているのは「シミの悩み」が消えるのであって、シミが消えるかどうかは個人差によります、と。ほほう、そういう言い方もあるのかと感心。
なんとシミが目立なく!?塗るだけでなんとほうれい線が!?
語尾を言わないという荒業。目立たなくなったとか、消えたとは一切言っていない。語尾を言い切らずに、目立たなく!?で終わるあたりが秀逸な広告芸といえる。ほうれい線がなに?増えたの減ったの?注意してみていると思わず吹き出してしまう。
細胞レベルから若返らせてくれる効果が期待
「効果が期待される」と言えば、怒られる心配なし!
Twitterやinstagramで話題沸騰!
動画の中にtwitterのアカウントが見えるシーンがあったので、試しに検索してみたら、3つのうち2つは存在せず、1つは存在していたけれど、フォロー8、フォロワー5、ツイート5の3日だけつぶやいているアカウントだったり、とこちらの期待を裏切らない仕上がりでむしろ安心した。
カッピカピのおもちに塗ってみるとよみがえっちゃうほど
これはさすがに広告芸で遊び過ぎだ。完全にツッコミ待ちである。であれば、しっかりとツッコんでおこう。「いやいやいや、待って待って、なんでおもちに塗った?」と。カッピカピのおもちとカッピカピの肌を同様に扱って良いロジックはどこから…?いくらなんでも、製作者サイドも広告芸で遊びすぎである。
Youtubeの仕組みを支える広告
このようなプロダクトを買っていただけるユーザ様のおかげで、我々は無料でYoutubeを見ることができるのだと考えると大変感慨深い。もちろん、このような広告スキームは別にYoutubeが初めてというわけではなく、昔からテレビの世界だってきっとこうして維持されてきたのだろう。私の分までバンバン広告を踏んでもらって、じゃんじゃんプロダクトを買ってお金を落としてもらって、Youtubeを無料で楽しめる仕組みが維持されれば私としては大変ありがたい。
もちろん、ターゲティングの精度がもっと上がって、私がついついお金を出したくなってしまう広告がもっと出るようになれば、みんながハッピーになることは間違いない。もう少し広告の趣向に教師信号をインプットしたいのだがどうしたらよいものか。
ESTA登録誤りが発覚し、その場でESTAを申請するというエクストリーム出国を経験した話
ここ数年で一番肝を冷やしたアクシデントといって間違いないと思う。まずは結論から。
スマホでオンラインチェックインを試みる
↓
特殊なオペレーションが必要というエラーメッセージ
↓
空港のキオスクでチェックイン
↓
ESTAの登録がないとスタッフに言われる
↓
その場でESTAを申請する
↓
申請が『保留』になる
↓
約30分後に『保留』から『承認』にかわる
↓
予定通り渡航
結果的には無事に渡米できたのだが、かなりエキサイティングな経験をしたのでここにまとめておきたい。
なぜかオンラインチェックインができない
今思えば、朝、オンラインチェックインインができない時点ですべてがおかしかったのだ。
エラーは出たものの、メールにはチケットが添付されてきたかのようにpdfが届いた。ただ、そのpdfはこのようになものだった。
This is not a boarding passと書かれているし、バーコードもQRコードもないので、空港でなにかしなければならないことはわかった。
「お前のリザベーションはスペシャルハンドリングが必要だから空港のキオスクでやれ」ということなので、オンラインチェックインができないまま、とりあえず空港に向かった。
フライトは関空からサンフランシスコのユナイテッドの直行便だった。
KIX 16:50 → SFO 11:10
夕方発だったので、早めに関空に行って、チェックインと荷物の預かりを済ませて、ぼてぢゅうでお好み焼きでもつつきながらゆっくり過ごそうと思っていた。プライオリティパスがあれば3,400円分もお好みきや焼きそばが楽しめる。ぼてぢゅうは、プライオリティパスユーザにとってはおなじみなのである*1。
ところが、オンラインチェックインでのエラーメッセージの指示通りに関空のキオスクでチェックインをしようとしたら、またしてもこのメッセージを受け取った。キオスクからチケットかのように出てきた紙切れには、
This is not a boarding pass
というメッセージが書かれていた。キオスクの近くにいるスタッフに声をかけると、信じられないことを言い始める。
「ESTAの登録はされていますか?」
それはもちろん。アメリカが2009年から開始したビザ免除プログラム(VWP)を利用して渡米する旅行者の適格性を判断する電子システムで、アメリカ国土安全保障省(DHS)により2009年から義務化されているErectric System for Travel Authorizationのことですよね。*2。ええ。なんせアメリカ本土は3回目ですから存じ上げておりますとも。
出張の手配が面倒だったので全部HISにおまかせでESTAの代行登録もお願いしていたし、1週間も前にESTAの Application No.もメールで届いていたので、そんなはずはない。仕方ない、きちんと登録があることをESTA公式サイトで確認してみせよう。
え、え、え、待って。
HISにESTAの登録代行をお願いしていたはず。そんなわけはない。何度見ても登録がないことがわかった。
終わった…。
そう思った矢先、ユナイテッド航空のスタッフからこんな提案をされる。
「今からESTAの登録をするしかないです」
え?
ESTAは承認に最大で72時間かかるから、72時間前にやっておいてねというのが公式メッセージなので日次のバッチで刈り取られるとかそういう仕組なのでは?そんなにリアルタイムに承認されるものなの?
「最大で72時間ですが、早ければ30分や1時間で承認されることもありますし、そうでないこともあります。」
まだ時間は14:00だった。フライトの16:50まで2時間以上ある。ここに望みをかけてESTAを自分で登録をすることにした。
その場でESTAを申請することに
今回のフライトの手配は全部HISにのツアー任せていて、ESTAも申請も間違いがあると困るし、なにより登録そのものが面倒だからと代行登録をお願いしていた。正直、フライトのこともホテルのことも何も考えずにとりあえず空港にやってきただけ。そんな感じだった。ESTAのApplication No.のメールは来ていたなと思っていたが、わざわざESTA公式で自分のパスポートとESTAの紐付けが正しく行われているかどうかなど確認していなかった。
なんなら、ぼてぢゅうのことで頭がいっぱいだった。
なんでやねん めっちゃええやん たこ焼き お好み焼きうまいで yeah!
(大塚愛, 2004)
なのである。とんだハプニングに遭遇してしまい、完全にお好み焼きどころではなくなってしまった。
くっそ、HISの不手際か!と少しイライラしながらとりあえずメールでHISにメールで一報いれてから、自らESTAの登録を始めた。
名誉のためというか、完全に単なるとばっちりなので先に言っておくが、結果的にはこちらのミスで、HISに連絡していたパスポートの情報が、かつて使っていた古いパスポートだったことがわかった。
更新が必要だったかは定かではないが、結婚して新しく戸籍を作ったために本籍地の変更のために一度パスポートを作り直していた。古いパスポートの方の現物はどこにやったかすら覚えていないけれど、画像データとして残っていたので、うっかりこの古いパスポートの画像をそのままHISに送ってしまっていたらしい。
つまり、古いパスポートのパスポート番号ではESTAの申請が通っているが、現在のパスポートのパスポート番号ではESTAの申請がされていないという状況だった。ESTAは、そのパスポートが有効か否かなど確認しておらず、申請に対して淡々と承認をくだすだけであるということが、このことも結果から明らかになった。
もう完全に気が動転していた。もし、ESTAの承認がおりなければ、今日はこのままこのスーツケースをコロコロして家にかえるのか。一週間、私が海外出張で家を空けるのに合わせて、妻も子どもを連れて実家に帰っているところだ。一人家に帰って承認を待つなど悲し過ぎる。フライトの振替で余計にお金がかかることになったら会社に説明するのも恥ずかしいし、面倒だな…そんなことが頭によぎっていた。
そんなことを考えながらも、とにかくESTAを登録しなければ何も始まらない。すぐに切り替えてESTAの申請を始めた。
ところが、ESTAの登録画面が使いにくいこと、使いにくいこと。日本語サイトも用意されてはいるものの、バリデーションチェックに引っかかったときに、何がどうだめなのかが分かりづらいので、次の画面に進めない理由を確認するのに手間取ってしまう。
なんとかESTAの画面で必要情報をひとしきり入力を終え、最後の支払いの一歩手前の入力の確認画面を見ていたころに、HISスタッフから電話がきた。私が誤ったパスポート情報をHISに送っていたことに気づいたのは、この電話の時だった。
すべての状況を理解したHISスタッフは電話越しに冷静にこう話す。
「今、支払いの前まで入力が済んでいるので、このまま進めてもらった方がよろしいかと思います。承認は早ければ即時でおりることがあります。ただ、画面上で『保留』のステータスになってしまった場合は、審査に入ってしまうため、大変申し上げにくいのですが、本日中に渡航することが難しいかもしれません。ESTAは審査に最大で72時間かかるとされておりますので。」
という。
なんとかESTA申請の支払いを終えて、表示された画面は、
保留…保留…保留…保留…(残響音含む)
終わった…。(2回目)
HISのスタッフに「保留」になったことを電話で告げると、HISのスタッフは絞り出すように次のプランを提示してくれた。
「古い方のパスポートは今お持ちではないとのことなので、古い方のパスポートの画像をユナイテッドのスタッフに見せて、本籍地変更でパスポートを更新している旨を事情を説明してみてください。古いパスポートにはESTAの登録があるが、新しいパスポートは今申請中で『保留』になっている、と」
話を聞いている段階から、そんな言い訳をドナルド・トランプが許してくれるわけもあるまい、と思っていたがもうやれることはすべてやるしかない。このときすでに15:30を回っていた。フライトは16:50なのでかなり焦っていた。ユナイテッドのカウンターに戻って事情を説明した。
「間違えて古いパスポートでESTAを登録してしまっていて、ESTAの登録がないと先ほどスタッフさんから言われていまして、今すぐESTAの登録をしてくださいという指示を受けたので、さきほど新しい方のパスポートで申請を終えましたが、ステータスが『保留』です(気が動転しすぎて早口で意味不明)。」
ほとんど自分でも何を言っているのかよくわからない状態だったと思う。ところが、ユナイテッドのスタッフはまったく動じていない様子だった。
「何時ごろ申請終えました?」
「5分ほど前です」
「では、そちらにおかけになってお待ち下さい。15:50までに承認が下りたら、チケットを発券いたしますので、そちらでおかけになってお待ちください。」
あれ?なんともいたって冷静だ。完全に拍子抜けした。ユナイテッドのカウンターのスタッフは、まるで、「すぐに承認はおりるから少しそこで待ってて」くらいな扱いをしていて、とても承認に72時間かかる可能性があると考えている人間の動きではないのがこちらにも伝わってくる。もしかして、ESTAの公式メッセージは72時間以内としているが、ほぼ即時で承認がおりるのが通例なのかもしれない、という希望が湧いてきた。
その予感は的中した。ESTAの公式サイトで承認画面をリロードしまくると、画面が『保留』から『承認』に変わっていた。
15:16 申請完了
15:17 保留:申請番号(Application No.)払い出し
15:37 支払い確認済み
15:39 承認確認
結果としてはESTAの申請を完了してから、23分で承認を確認できたことになる。しかし、当時は気が動転していたこともあり、承認を確認してチケットをうけっとたときの安堵のため息の深さは、この人生において最後にしたいと思うほどだった。
ESTAに関する教訓
渡米前に確認を
完全に月並みなことではあるが、「渡米前に確認を」に尽きる。割とこの手のトラブルには用心深くあると自分を過信していたのも良くない。確認は、これだけ入力すれば1分でできる。
- ESTAの申請番号(Application No.)
- パスポート番号
- パスポートに記載の生年月日
ESTAの申請は難しくないので自分でやったほうが良い
2017年に申請したときも旅行代理店に代行をお願いしていたが、今回必要に迫られて初めて自分でESTAを申請した。代行と自分での申請を両方経験した身からすると、「ESTA代行の意味はない」といって良い。
ESTAの申請代行をお願いしたことがある人なら見たことがあるかもしれないが、ESTAに入力すべき内容をExcelのファイル(代理店による)に記載するというオペレーションがどうしても発生する。わざわざExcelに入力するくらいなら、ESTAの書き方サイトに習ってブラウザ上でその情報を入力するのも変わりはないので、余計なお金を代理店に払ってやって貰う必要はない。代理店側もこんな狡い作業をビジネスとしてやりたいわけでもあるまい。
ただ、以下2点は注意。
- ESTAの画面がつかいづらいこと
- ESTAのサイトは日本語サイトがあるとはいえ、最近では珍しいかなり使いにくい画面なのでそれなりに作業に時間がかかってしまう。
- ESTAのフィッシング詐欺
- 最近ではESTAそっくりな画面に誘導するフィッシング詐欺などの被害もあるようなので、公式ESTAかどうかをしっかり確認の上登録したほうが良い。
とにかく、飛べてよかった。
フィニッシュ(食洗機用洗剤)の開発者はフィニッシュを毎日使ってはいないんだろうなと思った話
Panasonicの食洗機はフィニッシュを推奨している
我が家はPanasonicの食洗機を使っている。Panasonicの食洗機はフィニッシュの利用を推奨していることもあり、その推奨通りフィニッシュを使っている。別にどうしてもこの洗剤を使いたいという強い思い入れはない。どの洗剤が最も汚れが落ちやすいかなどの評価をしたこともないし、できる気もしない。価格についても特段考慮していない。ある意味、思考停止状態で売れていてシェアが高いならそれなりの品質なのだろうと吟味せずに使い続けている。
本サイト(【フィニッシュ】フィニッシュについて|公式サイト|RB)
によれば、2015年ニールセン調べで食洗機専用洗剤カテゴリー金額シェアが世界No.1なのだという。
開けにくいフィニッシュの袋
食洗機用洗剤フィニッシュの不満が1つある。それは「フィニッシュの袋が開けにくいということである。この問題を解消するために、製品として用意された開け口を無視して、自分で開け口をカットするという方法を思いついた。
製品として用意された開け口通りに開けるとジッパーを開くときにつかむ余白が少なくなる。
余白が少なすぎると、ジッパーを開けるときにつかむところがなくなって、開けづらい。
食洗機を動かすときの一連の流れは以下の通り。
1. 食器を流水ですすぐ
2. 食器を食洗機にセットする
3. 食洗機に洗剤をセットする
4. 食洗機のスタートボタンを押す
この一連の流れから考えると、フィニッシュの袋を濡れた手のままで開けたいシーンもある。濡れた手でフィニッシュの袋を開けるときは最悪で、本当に手がすべって開けられない。
開発者は濡れた手でフィニッシュを開けたことがあるのか?
初めてフィニッシュを使い始めたころは、フィニッシュの口が開けづらいということがストレスから、フィニッシュの中のタブレット剤をジップロックなど別の袋に移し替えてつかっていたことさえある。最近は、上記のようにデフォルトの開け口を無視して自分で開け口をカットすることで自分で余白を用意するという方法で問題が解消できることに気づき、実践している。
ここで私が言いたかったことは、「ああ、やっぱり開発者は開発者であって、ユーザではないんだな」「開発者はフィニッシュを日常的に使っていないんだろうな」ということである。別に、フィニッシュの弱点をさらしてクレームを言いたいわけでもなんでもない。もちろん、この弱点についてのユーザレビューをレキットベンキーザー社が汲み取って製品の改良につなげてもらえればそれ以上にうれしいことはない。ただ、このような事実に出くわすと、開発者とユーザとの距離に興ざめしてしまう。何を言っているのかよくわからないかもしれない。でもそんな気持ちになる。
「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きてるんだ」(踊る大捜査線 THE MOVIE,1998)
おそらく、レキットベンキーザー社も他社製品との戦いの中で、油汚れにいかに強くするか、食洗機に洗剤をセットするときにいかに手を汚れないようにするかなどプロダクトに工夫を凝らして作り上げたのだろう、でも、最後の一歩は机上では語れないユーザ視点が欠けている。
エンジニアにとって明日は我が身
事業会社の情報システム部門にいる私からすると、明日は我が身であり、だからこそこの開発者とユーザとの距離に悲しみを覚えるのかもしれない。本当にユーザ目線でものごとを考えられているか?今一度胸に手を当てて考えてみる良いきっかけになった。
日本最古のシングルモルトウイスキー蒸留所 山崎蒸溜所を見学してきた
夏休みなのになんの予定もないや。そういえば、近所の山崎蒸溜所にいつか行きたいと思ってたんだよな、と見学コースのWeb予約を見てみると、奇跡的に次の日の1席だけ80分の有料見学コースが空いていて即予約を入れた。
通常は向こう3ヶ月予約がびっしりという状態だったようで、本当に偶然、前日に予約が取れてしまった。おそらく誰かが予約をキャンセルしたとかそういうタイミングだったのかもしれない。
「やってみなはれ。やってみんことには わかりまへんやろ」
これは創業者鳥井信治郎の言葉だ。
「やってみなはれ。やってみんことには わかりまへんやろ」
この地に賭ける創業者の覚悟からすべては始まった。「日本人の繊細な味覚にあった日本のウイスキーを作りたい」創業者鳥井信治郎はこの地に日本初となるモルトウイスキー蒸留所「山崎蒸溜所」を建設しウイスキー作りに闘志を燃やした。
(山崎蒸溜所 ウイスキー館 展示より)
当時は、本格的なウイスキーづくりはスコットランドやアイルランド以外の地では不可能だと考えられていたため、世間からの反対の声があった。そんな声に鳥井信治郎は「仕事が大きくなるか小さいままで終わるかやってみんことにはわかりまへんやろ」と答えたという。
なぜ蒸溜所として山崎の地を選んだのか
実は、近所に住んでいながらまったく知らなかったことなのだが、山崎というこの地は濃霧が発生しやすく、湿度が保たれやすいことからウイスキーにとって理想の土地なのだという。
鳥井信治郎は良い熟成は良い自然環境なしにはあり得ないという確信のもとに全国各地を歩き回り、この山崎という土地にたどり着いたとされている。天王山の麓で、木津川・桂川・宇治川という温度の異なる複数の川の水が合流するこの地は濃い霧が発生しやすいのだという。また、山崎にある水無瀬神宮の湧水は「離宮の水」と呼ばれ、今では日本の名水百選の一つに数えられている。
また日本史に詳しい人なら、豊臣秀吉が明智光秀を破った「山崎の合戦」のあの「山崎」と言ったほうが伝わるかもしれない。じつはこの山崎という場所は、JR山崎駅と阪急大山崎駅が近く、京都からも大阪からも非常にアクセスが良い。
これだけアクセスが良ければ、Japanese Whiskyファンの外国人観光客がもっといてもよさそうなものだが、全体の1割にも満たない様子だった。この山崎蒸溜所とからめてもう一つ目玉となる観光スポットがあれば良いのだが、そこが外国人観光客が寄っていくスポットになりにくいのかもしれない。
山崎蒸溜所見学コース
大きく分けると有料コースと無料コースの2種類がある。有料のコースは製造工程の見学(80分コースまたは100分コース)があり、無料コースは製造工程の見学なしになっている。見学はいずれも予約が必要なので、予約がなければ入ることもできない。有料コースは人気なので、向こう3ヶ月は予約が埋まっているような状態である。
楽しみ方は公式に詳しく書いてあるのでこちらを参照
www.suntory.co.jp
有料コースにはブレンドする前の山崎を構成する原酒をテイスティングしたり、美味しいハイボールの作り方などを教えてもらえる場などもあるので、蒸留所までせっかく足を運ぶなら有料コースを選んだほうが良い。ただ、製造工程の見学がない無料コースでも、ウイスキー館の展示エリアはすべて見学できるのでこれだけでも十分見ごたえがあるので、もし有料コースの予約が取れなければ無料コースの予約を取るのも悪くない。なぜなら、こんなに格安でいろいろなウイスキーを試飲できるからだ。
テイスティンググラスに15mlの少量ではあるが、100円からいろいろなウイスキーを試飲できるのはここならでは。もちろんシングルモルトウイスキー山崎もある。700ml買えば数十万円は優に超えるであろう山崎25年もテイスティングできる。
山崎蒸溜所 製造工程見学
モルトウイスキーの原料である麦芽を仕込み、発酵させたのちに樽に詰める。樽詰めされたモルト原酒を貯蔵庫で熟成させる。
製造工程の見学で注意が必要なのは、貯蔵庫のウイスキーの強い香りだ。割とウイスキーは好きなほうだと自負しているが、貯蔵庫に一度足を踏み入れた瞬間にウイスキーの香りが鼻からだけでなく、体の穴という穴から吸い込むような感覚に襲われる。どんなにウイスキーが人な人でもちょっと、うっ、と来るほどの刺激がある。お酒が苦手だったり、ウイスキーの香りが苦手な人は工程見学はやめたほうが良いと感じた。
見学の途中で、熟成が進めば進むほどウイスキーが色づき、中の水分やアルコール分が出ていってしまう様子を見せてもらえる。前面がアクリル板になっているので、中の様子が見える仕組みだ。
このように、熟成が進むにつれて少しずつ量が減っていく様子を昔のウイスキー職人たちは「これはきっと天使がこっそり飲んでいるに違いない。でも、天使に分け前を与えているからこそ、天使の助けもあって美味なるウイスキーが出来上がるのだ」と考えて、減ったウイスキーのことを「天使の分け前(Angels' share)」と呼んできたそうだ*1。当然のことながら、熟成時間が長ければ長いほど天使の分け前は多くなる。これが、熟成時間が長いお酒が高価であることの一因であるとも言われている。
山崎 原酒テイスティングと美味しいハイボールの作り方
見学を終えたあとは、ブレンドして「山崎」が出来上がる前の原酒のテイスティングができる。原酒を経験したのははじめてだが、やはりトゲトゲした口内に突き刺さるようなしびれるような尖った味だった。
一方、これを経験してからのブレンドされた製品である山崎を口にすると、ほう、これがブレンダーの仕事かと改めて感心する。口あたりがよく、トゲトゲしていたのはどこへやら、むしろやわらかい、まろやかな味わいで別のものに変わっていた。ブレンダーは幾多の原酒をテイスティングして、どの原酒を組み合わせて「山崎」を作るか決めるという重要な仕事なのである。 こんなに刺激の強い酒をテイスティングしまくる人間の健康状態はどうなってしまうのかと心配したが、ブレンダーはテイスティングしたあとは飲み込まずに吐き出すのだそうだ。
ITの人間からすると、どうしてもこういう現場を目にすると、「数値化できないのか?」「人の舌に頼らずに定量的に評価することでより美味しいウイスキーは作れないのか?」「工程を短くできないか」などと軽々しく考えてしまうが、おそらくそんなことは当然サントリーの研究者もやろうとしているのだと思う。それでもまだまだわからないことが多いというところも、このウイスキーの魅力を構成する要素なのかもしれない。
最後は山崎蒸溜所公式の美味しいハイボールの作り方を教えてもらえる。
1.グラスに氷をいっぱいに入れて冷やします。
2.ウイスキーを適量注ぎ、よくかき混ぜます。
3.氷を足します。
4.きりりと冷えたソーダを加えます(1:ソーダ3〜4)
5.炭酸ガスが逃げてしまわないように、マドラーでタテに1回まぜます。
この日の京都の最高気温は36℃を越えていて、見学の途中、貯蔵庫は当然冷房など効いていないし、施設を移動する合間に外を歩く時間もそれなりにあったこともあり、きんきんに冷えた山崎ハイボールが染み渡る。
ウイスキーによく合うおつまみとして、ナッツやクラッカー、チョコレートなども出て製造工程まで見学して1,000円。80分は少し長いかなと思っていたが、あっという間だった。
有料コースの見学が終わったあとは、無料コースも入場できるウイスキー館で前述の試飲を引き続き楽しむことができる。
昨今の国産ウイスキーの品薄状態は続いており、山崎蒸溜所をもってしてもシングルモルトウイスキー山崎は手に入らない様子。
ぜひ、山崎蒸溜所に足を運んでテイスティングカウンターを楽しんで見てほしい。
六甲・まやレジャーきっぷで行く神戸への小旅行
先日、京都から子どもを連れて神戸にちょっとした旅行に出かけた。アンパンマンミュージアムに行ったり、六甲山に行ったりという小旅行に「六甲・まやレジャーきっぷ」がちょうど良かったので使ってみた。
おおよそ1,000円ほど『お得な六甲・まやレジャーきっぷ』
阪急車内の広告でたまに見かけることがあった程度ではあったが、せっかく六甲山に行くならきっとお得な切符があるに違いないと改めて調べてみると、この『六甲・まやレジャーきっぷ』があることがわかった。
これから六甲山に行こうとしている我々にとって『六甲・まやレジャーきっぷ』が損をするような切符ではないだろうと、電車の乗車券を買うくらいのつもりで買ってみた。
『六甲・まやレジャーきっぷ』がフォローする範囲は以下の通りだ。
①阪急・阪神の最寄り駅⇔神戸三宮・六甲の往復 運賃
②ケーブルカー駅までの神戸市バス往復 運賃
③ケーブルカー往復 運賃
④山の上でのシャトルバス乗り放題 運賃
+α:山の上の各種サービス割引
つまり、阪急または阪神から六甲山または摩耶山を楽しんで帰ってくるまでの交通費が全部含まれているということになる。
ただ、①については乗車駅や降車駅が限定された切符ではないので、どこから乗っても良いし、どこで降りても良いがそれぞれ往路と復路のそれぞれ1枚ずつしかないので、電車に乗り放題というわけではない。
実際に、①〜④をそれぞれ別で買おうとした場合の例はこちら。
https://www.hankyu.co.jp/files/upload/ticket/2018rokkomayaA4.pdf
https://www.hankyu.co.jp/files/upload/ticket/2018rokkomayaA4.pdf
上記①〜④だけでもだいたい1000円くらいはお得になるという切符ということになる。
買っておけば支払いが楽になる
旅行先で使えるいわゆるお得なきっぷのうれしさは、単純にセットで割引されることよりも、支払いの楽さにあると思う。電車であれば交通系ICカードでの支払いが一般的にはなってきているものの、ケーブルカーなどの特殊な乗り物は今でも窓口で切符を買うというスタイルのままだ。
今回、私がケーブルカーに乗ったタイミングは平日のそれほど混雑していない時期だったこともあり、窓口が混雑していたということはなかったが、繁忙期であれば、ケーブルカーの切符を買うために並ぶことになっていたかもしれない。それを回避できるだけでも十分価値のある切符だと思うので六甲山・摩耶山に遊びに行くには使ってみると良いかもしれない。
転職しても大丈夫な人
東京を離れて京都の田舎の会社に転職して2年半が経つ。転職してからの仕事については、この2年半の間に上司との信頼関係も構築でき、仕事の進め方もかなり裁量があって自由が利く。通勤においても、東京のような満員電車とは無縁の京都での田舎暮らし。徒歩で通勤できる会社の近くの家に住み、さらには週2回はテレワークの仕組みを使って自宅で仕事ができるというのもありがたい。金テレワーク、土日をはさんで、月テレワーク。火・水・木は打ち合わせのために会社に行こうというゆったりした生活を送っている。
東京から京都の田舎に引っ越してから、もう2年半くらい経ちます。私の住んでいるところはだいたいこんな景色で、とても穏やかな暮らしです。週2は在宅勤務で、週3は歩いて会社に行ってます。最高です。はい。 pic.twitter.com/kwUyEzXM7r
— わっちゃん (@watchan) 2019年2月24日
転職には経験上かなりのエネルギーと時間を必要とする。それなりに心にも体にも大きな負荷がかかるので覚悟が必要だ。
「信頼残高ゼロ」に立ち向かえる
仕事うまく進めるにあたって信頼関係というのは最も重要であるといっても良い。なぜなら、人に対して作業をお願いするとき、その人に期待するクオリティ、その人に期待する納期が明確になるからだ。大きな仕事を計画通り進めていくには、不確定要素を極力減らすべきであるというのが鉄則である。
ところが、会社が変わると、これまで自分のことをよく知っている人が誰もいなくなるので、信頼残高がゼロになりQCDのコントロールができなくなる。
もちろん、最近ではこのような問題に配慮して、友人の紹介によって会社に迎えられるケースや、最終的に現場のチームとも交流の機会を経ての採用というケースもある。そのような場合は少し状況が違うのかもしれない。とはいえ、面接の中ではかることができる情報は限られているし、迎え入れられる会社の中で、自分のことを知っている人の範囲というのは、一緒に仕事をすることになる人の全体のうちのわずかな範囲に過ぎない。実際に仕事を始めるということになれば、より多くの人と関わることになるので、その影響力が及ばない範囲も当然出てくるだろう。なにより、仕事における信頼というのは短時間で構築できるような簡単なものではない。
もともと、前職でもインフラ担当だったので、インフラの設計・構築が完了し、アプリチームに開放したら次のプロジェクトに異動。というように、1年〜2年ごとにプロジェクトを点々とする働き方をしていたので、自分のことを知らない人が大半であるという新しい職場に入っていく緊張感のことはよく知っていたが、会社が変わるというのは、それ以上の緊張感がある。
同じ会社の中でのプロジェクトの異動ということであれば、ある程度自分のスキルセットをよくわかっている上司が、このプロジェクトにアサインしてもうまくいくだろうという信頼関係をもとにした算段をもって参画させるので、安心感がある。もし、プロジェクトとしてうまくいかない可能性があり、それをなんとかして欲しいという目的で参画するのであれば、そのことも事前に伝えられるはずだ。
しかし、転職は違う。面接というごく限られた時間だけで評価され、現場に送り込まれる。その采配が是か非かというのは、現場に入ってみないとわからないと考えたほうが良い。
仕事が一人で完結するということはほとんどない。必ず誰かから依頼を受けたり、誰かに作業をお願いしたりというコミュニケーションが発生する。 このとき、自分に信用がないと受け入れた会社側のメンバも「この人に何をお願いして良いのかわからない」という状態になる。これは逆もまた然りで、相手のことをよくわからないので、自分自身も「何を、どこまで、誰にお願いして良いのかがわからない」という状態になる。
「信頼残高ゼロ」だと仕事にレバレッジが効かないのである。
転職してから最初の1年間くらいは本当にもどかしかった。現場でやるべきことはたくさんあるのだが、それを実現しようとすると時間がかかってしまう。ユーザがない、権限がない、情報がない、など仕事を推進する上での道具がなかなか揃わないのである。
今考えてみれば、私を迎え入れたチームの社員や協力会社のメンバの気持ちもよく分かる。今どきの会社ほど、中途採用によってバンバン人材が流動するような組織でもなかったこともあり、中途採用で入ってきた人間に時間を割くことが、直近の作業スケジュールや費用対効果に合っているのかがわからないので、何を任せるにしてもリスクになってしまうのだ。 仮に自分にスキルがあり、自分の中に成功イメージが見えていたとしても、相手からの信頼がなければ仕事は始まらないのである。
もし、あなたが転職してまだ日が浅い中、「この転職は本当に正しかったのだろうか」とうまくいかないことがあるとしたら、その多くは信頼残高が足りないことによるストレスだと考えて間違いない。この信頼残高ゼロに立ち向かうには、約束をして、守る。約束をして、守る。という積み重ね以外にやれることはない。とにかく、信頼残高を貯めるところから仕事は始まる。
これから転職しようと考えている人は、今、自分のことを信頼して一緒に仕事ができるメンバがいなくなったときのことを想像して見て欲しい。これは、実際に会社を離れてみるまで気が付かなかったことだが、最も大きな負担になると言って間違いない。
意図的に空気を読んだり、読まなかったりできる
「空気を読む」のはいつ何時でも良い行いであるわけではない。
郷に入っては郷に従えという言葉があるように、転職すればその転職先の文化に従うのが是とされるのは間違いないが、それを頑なに続ければ良いというものではない。その理由は「文化の境界線が見えないから」だ。
会社やチームには固有の文化があり、その文化には必ず背景がある。その文化に従うことは難しいことではない。言われるがままにそれを実行すれば良いだけだ。しかし、その文化が醸成された背景というのは、ただ文化の中で浮かんでいるだけでは深い理解を得ることはできない。
守破離ではないが、文化を守る中で感じた違和感は、時として空気を読まずに破っていくということも大切だ。これまで誰も疑問を持つことがなかった文化を逸脱することで、今まで起こり得なかった新しい風を起こしながら補正していく。この活動により、文化の境界線にふれることができる。なぜこの文化が大切にされているのか、良い文化なのか、悪い文化なのもあわせて判断することもできる。
外からやってきた人間には、これまで踏襲されてきた古い価値観を空気を読まずに破壊できることもあるので、これを有効に使わない手はない。転職先にうまく溶け込めるのは良いことだが、ただ溶け込むだけではせっかくの中途入社の強みを殺すことになってしまう。適度に空気を読み、適度に空気を壊すことができる人は自分自身にストレスを抱えることもないだろうし、組織としても歓迎されるはずだ。
心身が健康である
「健康」はいかなるスキルセットの最上位にある。このことは誰にも否定はできないだろう。この話は、健康でないことが採用において不利だとかそういう話をしたいのではない。ここで言いたいのは、転職という、自ら環境を変えようというイベントの負荷に対して、耐えうるだけの健康状態でなければ乗り越えられないという意味である。
大学に進学する、上京する、就職する、といった住む場所や所属する組織が変わる、いわゆる、人生の節目というものは、新しい生活に対しての期待と不安が入り交じり情緒不安定になる。この環境変化をうまく乗り越えるには、心身の健康が必須と言って良い。
本音と建前を道具として使える
採用する側は、ある程度どの領域で力を発揮してもらうかというのは当然考慮してオファーを出している。しかし、採用というのは時間がかかるものだ。応募者がエントリーシートを書き、書類が通って、一次面接、二次面接、最終面接、オファー、退職交渉、有給消化、入社という手続きを経ると、早くても3ヶ月、長ければ半年くらいの時間がかかる。
半年もの時間があれば、世界や経済の動きはもちろん、ビジネスの変化も著しいので、入社するタイミングでぴったりの仕事がいつでもハマるとは限らない。このようなときに、本音と建前をうまく使えなければ、スムーズに新しい職場に溶けこむのは難しいだろう。
入社してみたものの、自分のスキルセットにハマらない仕事をあてがわれて苦しい、あるいは、あてがわれるはずだった案件がもう始まっていてしまっていて、他の人がアサインされている。このようなことは当然起こりうる。人を採りたいという組織は、新しくやってくる人のために仕事を用意しておくという準備はするが、オファーを出したが蹴られてしまったというリスクを考えると、予定されたタイミングから寸分違わず入社しない限りは、優先度低、重要度低の仕事を回すところから始まることになる。
このとき「こんなはずではなかった」、「これは私の仕事ではない」と本音をぶつけるのか、「信頼残高を蓄積するためだ」と割り切って与えられた仕事をこなすのかは転職がうまくいくかどうかの鍵になる。
「転職ってやりたくもない仕事をやらなきゃいけないんだっけ?」と思った人もいるかもしれない。でも、残念ながら私の答えはYESだ。なぜなら、転職というのはパズルの1ピースを別のパズルにもっていくようなものだからだ。
前職でハマっていた1ピースを、別のパズルにもっていってぴったりとハマるわけがないのだ。ピースのどこかを削ったり、足したりしなければきれいにはハマらない。だから、頑なに自分という1ピースを削りもせず、足しもせず本音だけを言い続けていてはいつまでたっても新しい職場というパズルにハマることができずに時間がだけが経っていくということになる。
本当にその職場に溶け込もうという思いがあるのなら、本音と建前は道具としてうまく使いながら、自分のスタイルに近づけていくのが良いだろう。「なんだ、そんな面倒くさいことをしなければならない会社なら行きたくない」というならそれでいい。本音だけで語っていれば成り立つ会社があるのであれば。
まとめ
振り返ってみると、いずれも、会社を移るまで私の想像力が及ばなかった範囲だった。会社を移ってみるまでは、それなりに腕に自信はあったのだが、組織に貢献できるレベルに立ち上がるのに思いの外、時間がかかった。
転職というキーワード一つを捉えると、「転職すれば必ず事態が好転する」と思いがちだが、必ずしもそうではない。好転させられるかどうかは、自分自身にかかっている。今後転職を考える人の参考になれば。
まいにち中国語 5月 中国語の曜日は数字で表していて合理的
まいにち中国語 5月の振り返り
中国語の曜日は数字で表されるので覚えやすい
中学校1年生で英語を習い始たとき、Sunday Monday Tuesday Wednesday Thursday Friday Saturday のスペリングを覚えるのに苦労した。実は今書いていても若干自信がない。ところが、中国語は違う。中国語での曜日はとても合理的で、月曜日から、1,2,3,4,5,6と数字が振られているのだ。
- 月曜日:星期一
- 火曜日:星期二
- 水曜日:星期三
- 木曜日:星期四
- 金曜日:星期五
- 土曜日:星期六
- 日曜日:星期天 / 星期日
なんと素晴らしい。日曜日だけは例外的に、星期天または星期日と言う。星期零や星期七は存在しないので、何曜日が1だっけということにはならない。とても合理的で覚えやすい。
这是一支笔。(これはペンです。)
英語でいうところのThis is a pen.にあたる。
- 这…これ
- 是…〜です
- 一支…1本
- 笔…ペン
こうしてみると、英語と似ているように感じる。"是"はいわゆる英語でいうところのbe動詞である。
また、"一支"は中国語の世界では量詞と呼ばれていて、1本、1杯、1人など数を数えるときにはその数える対象に合わせて数え方が変わる。1杯のビール(啤酒)であれば一杯啤酒、3人の日本人であれば三个日本人と表現できる。これは日本語でも、いかは1杯、2杯と数えるとか、箸は1膳、2膳と数えるというように数える対象によって単位がかわるのとほとんど同じだ。
中国語では固有名詞も中国語発音で読む
とても興味深いのは、中国語では日本の地名であっても中国語発音をするということだ。
- 日本の地名 大阪(おおさか)は、大阪(dà bǎn)
- 日本人の名前 鈴木(すずき)も、铃木(líng mù)
日本語は、中国語と同じように漢字が存在するので、漢字で表現できるものは基本的にはすべて中国語の読み方で読むらしい。鈴木さんは、スズキさんではなく、リンムーのような発音になる。スズキと発音が近い中国語を当てはめたりはしない。
一方で、発音を当て字のように外来語の発音を無理やり中国語発音の漢字をあてたものもある。
巧克力(qiǎo kè lì)… チョコレート
酷(kù)… cool
このあたりは、言葉の流行り廃りなどによって新しい言葉や新しい名前も生まれてくるので本当に面白い。
蓝牙(lán yá)…Bluetooth
読んで字のごとく、藍色の牙でBlutoothというのは大変興味深い。
中国語学習系Youtuber 李姉妹
やはり語学学習のモチベーションを維持するためにYoutubeはとても役に立つ。Youtubeには語学学習系Youtuberがたくさんいるので、無料でクオリティの高い教材が簡単に手に入る。
ちょうど私が、中国語学習に関心を持ち始めたのと同じ頃に動画を投稿し始めている李姉妹は、中国語の基礎の部分から丁寧に教えてくれるのでとても役に立っている。二人は実の姉妹で、姉は中国生まれ、妹は日本生まれで、幼い頃に両親のしごとの都合で中国と日本を行ったり来たりしていることから、中国のことも日本のこともとても詳しく、日本人が中国語を学ぼうとするときにひっかかりそうなポイントも含めて説明されるのでとてもわかりやすい。中国語の初学者にも易しい内容から入っているのでおすすめしたい。