Happy Birthday to You 3拍子か4拍子か問題
- 4拍子で始まったHappy Birthday to Youに困惑
- Youtubeで各国の拍子を調べてみた
- 3拍子の人にも複数派閥あり
- Happy Birthday to Youが3拍子か4拍子かに言及する人々
- Happy Birthday to Youから紐解く歴史?
4拍子で始まったHappy Birthday to Youに困惑
私の職場にはいろいろな国から来ている人がいるので、いろいろな文化に触れる機会がある。中国、韓国、タイ、フィリピンとアジア圏が特に多い。異文化で面白いと思うものもあれば、国が違っていても文化が共通しているという発見もある。中でも一番おもしろいのは、かすっているけどちょっと違うという微妙な差である。
あるとき、誕生日を祝うシーンがあり、日本でもおなじみのあの誕生日を祝う歌を歌った。旋律は同じなのだが歌い出しが4拍子で始まったのでとても驚いて一人であたふたしてしまった。特に、音楽というものに特別な思い入れがない人にとっては、ごく自然と4拍子で歌えてしまうようだが、脳内がうまく4拍子に切り替わらずに苦戦した。
Youtubeで各国の拍子を調べてみた
歌の音頭をとったのはフィリピンのメンバーだったので、それに引きずられているのかもしれないと思い、フィリピンの人がタガログ語で歌っているHappy Birthday to Youを調べてみるとやはり4拍子だった。どうやら国ごとに3拍子派と4拍子派がいるらしいことがわかった。
日本(3拍子)
韓国(3拍子)
中国(3拍子)
タイ(4拍子)
フィリピン(4拍子)
アメリカ(4拍子)
3拍子の人にも複数派閥あり
小節終わりの3拍目が歌い出し「ハッピ」(アウフタクト)
おそらくこれが多数派であり、正解のはずである。3拍子の終わりの3拍目が歌い出しになるいわゆるアウフタクトである。私はこれ以外で考えたことがなかったので、他派閥があることに驚愕している。
1拍目が歌い出し「ハッピ」
世の中には、3拍子ではあるが1拍目が歌い出しであると考える人もいるらしい。確かに、こういう考え方でも成立しないこともない。
Happy Birthday (To You) C Major Sheet music | Download free in PDF or MIDI | Musescore.com
特に、日本の場合、「ハッピバースデー ディア ○○ちゃーん」と、フェルマータが入ってゆっくりになって、また「ハッピ」から再開することもあって、変拍子になっていても特に気にせず、混乱もしないという不思議な性質があるように思う。
Happy Birthday to Youが3拍子か4拍子かに言及する人々
4拍子で歌うことに違和感を覚えるピアノの先生
しかし、私はこの歌をところどころ4拍子で歌う人を知っています。ハッピーバースデイ・トゥ・ユーの後になぜか、チャン・チャンと合いの手を二つ入れて2拍休みにするんです。この曲は、アウフタクトの曲で3拍めから歌が始まっていて、ハッピーバースデイのバのところが1拍めにくるのですが、その人はトゥユーの後でチャン・チャンと2拍休みを繰り返し入れるので、そこのとこだけどうしても4拍子の曲になるのです。そうすると元来の1拍目の音がどんどんずれてきます。初めてこの歌い方を目の当たりにしたときは、ほんとに驚きました。聴いてる方はなんともストレスのかかる歌い方です。
リズム感と拍感 ハッピーバースデイ - ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)
With Musicで連載中の「BGMのギモン」ウェブ版コラム
実は「ハッピーバースデー」は三拍子なのですが、拍手の入れ方で勘違いされていることが分かるのです。「ハッピーバースデー」を歌うときによく手拍子をすると思いますが、あなたは冒頭の「ハッピバースデートゥーユー」の「ハッ」で手を叩きますか?それとも、「バー」で叩き始めますか?
正解は「バー」です。冒頭の「ハッ」はアウフタクトといって、裏拍なので拍の始まりは「ハッピバー」の「バー」ということになります。
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Happy Birthday to Youから紐解く歴史?
世界史の教科書などで、同様の言葉を話す「語族」がどう形成されたかで歴史の流れを説明するといったことがあったように、Happy Birthday to Youがどのように世界に広まり、拍子が変化していったのかをたどると、なにか新しい発見にたどり着くのではないかとワクワクしてしまう。Happy Birthday to Youの系譜をたどった本があれば紹介して欲しい。