手抜きが料理を上達させる 「単位ひとくちあたりの塩分量を意識した目分量料理法」
料理が好き。クリエイティブな活動で脳が刺激される気がする。結局のところ、自分が食べたいときに、食べたいものを、食べたい瞬間の気持ちに合わせて作るものよりもうまいものはない。そう信じてやまない。
jippahitokarage.hatenablog.com
誰に習ったわけでもないが、大学時代に一人暮らしを始めてからやってきた料理は、結婚して嫁と暮らすようになった今も私の担当であるといって良いほどほぼ毎日料理をしている。料理を毎日していく中で、自分のスキルの上達も感じられるし、新しいレシピに挑戦するという楽しさもある。自分が独学で料理スキルを上げていく上で意識したことを紹介したい。
手抜きで工程の意味を理解する
- 「ここで肉に下味をつけておきます」
- 「きつね色になるまで揚げます」
- 「肉と野菜を炒めてから、水を入れて15分煮込みます」
- 「包丁のウラで肉をたたきます」
- 「あくをとります」
- 「皮をむきます」
- 「出汁を加えます」
料理を紹介するテレビや本では、料理の工程の説明がメインなっていて、「なぜそうするのか」に答えていないケースが多い。それは「おいしくなるから」というのが答えではあるが、そこを知りたいわけではない。「なぜおいしくなるのか」を知りたいのである。
オライリーから出ているエンジニア向けの料理本で、料理をサイエンスの視点で書かれていてなかなかおもしろい。まわりで料理好きなエンジニアがいたら絶対に喜ばれるのでプレゼントしてあげよう。本で紹介されている「メイラード反応」は意識すると劇的に料理の味が向上するのでぜひおさえておきたい。
Cooking for Geeks 第2版 ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)
- 作者: Jeff Potter,水原文
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/12/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
そこで、料理を上達させるために、それぞれの工程をあえてすっ飛ばすということに挑戦して欲しい。
「あく?とらなくていいんじゃん?」「皮むかなくても食べられるでしょ?」「どうせ水いれて煮込むなら最初に炒める意味なくない?」「なんで肉たたくの?面倒だからいいでしょ」「下味ってなに。あとから味つけるんだからいいや」「出汁って入れなきゃだめなの?」
自分がもしかしたら必要じゃないのではないか、と疑問に思う工程があったら、勇気を持ってすっ飛ばして欲しい。
いわゆる対照実験である。この工程は本当に必須なのか?と疑問視して、手抜きに挑戦してみて欲しい。飛ばしたものと飛ばさないもので、どのように変化するのか。その変化は自分の舌で感じ取れるか、感じ取ったとして許容できるか、ここを考えることで各工程の本当の意味を自分の舌で感じ取ることができる。工程の意味を知らずして、料理のアレンジなどできるわけがないのである。
料理の巧拙を決めるのは「塩分量」
嫁がWebでレシピを見ながらガパオライスを作ってくれたが、しょっぱ過ぎたのでほんの少量のガパオですべてのご飯をたいらげることに。しょっぱくなってしまった原因としての嫁の振り返りはこうだ。
「おそらくレシピの記述が間違えている。大さじではなく小さじだったのでは。ナンプラー大さじ2杯とかいてあったが2杯も入れたらもともと70gしか入っていないナンプラーのビンの半分を入れることになった。ガパオライス2人前を作るのにビンの半分を使うとは考えにくい」
ナンプラーの密度がしょうゆと同等と仮定すると、しょうゆの大さじ1杯は18g*1なので、36g入れることになる。たしかに嫁の言った通り、ビンの半分を入れることになったようである。ただ、ここで問題なのは、ナンプラー大さじ1杯が料理全体に対してどの程度の塩分量になるのかを想像していないことである。この誤りは、レシピのせいではあるものの、これまでずっと目分量を信じて料理をしてきた私からすると、起こり得ない間違いなのである。
単位ひとくちあたりの塩分量を意識した目分量法
もう一度宣言しておくが、誰に習ったわけでもなく、完全にオリジナルの思想なので正しいかどうかは定かではないが、これまで鍛えてきた自分の目分量法を言語化するとこうなる。
おそらく味付けの難しさは、作る量にしたがうと言って良い。鍋で作る家族5人分の豚汁に味をつけるのと、寸胴作る50人分の豚汁に味付けをするのでは、50人分の豚汁に味付けするほうが難しいだろう。なぜなら「調理誤差」が大きいからである。
レシピのうち食材に関しては原則として、5人分作るのであれば1人分を5倍すれば良いが、こと調味料に関しては、実際には調理器具のサイズや火力まで線形に5倍になるわけではないので必ず誤差が生じる。これを私は「調理誤差」と呼んでいる。つまり、家族5人分の調味料の10倍の量で味付けをすれば同じ豚汁が50人分できるわけではないことを意味している。実際には、5人分の味付けのときには十分小さくて無視することができた蒸発して減る水分量や、食材そのものから出る水分量が違うこともあるのである程度のチューニングが必要になるのである。
ここで伝えたいのは豚汁50人分の作り方ではなく50人分のように「作る量が多いから味付けが難しい」ということである。逆に言うと、作る量さえ少なければ、誤差も少なく、自分の経験則から味が想像しやすいため、味付けしやすいのである。
さて、目の前にひとくちで口に収まるほどの豆腐が置かれ、これにしょうゆで味付けをしようというときに、人それぞれ好みはあれど、どの程度しょうゆをかければ良いのかがわからないという人はいないだろう。自分の中でどれくらいしょうゆをたらすとちょうどよいのかは経験則的に把握しているはずである。すべてはこれを基準に考えることにする。つまり、ひとくちで口に入る料理の量に対してしょうゆ(塩分)がどの程度含まれるべきなのかを基準にするのである。これが私が考えた「単位ひとくちあたりの塩分量を意識した目分量料理法」である。
フライパンで4人前の炒飯を作るときはどうだろうか。味付けで塩をふるときにどれくらいの量をふるべきなのか。それは「単位ひとくちあたりの塩分量を意識した目分量料理法」によって、スプーンやレンゲでひとすくいして口にふくむ量に対して、塩をどの程度ふるとちょうどよいのかを考えれば良い。
(フライパンをモデル化したつもり)
4人分を4等分して、1人前が何口分になるのかを見積もる。もちろんもとの食材の量によって1人前の量は変化するが、人が食事をするときに口の中に含むひとくちはそこまで大きくは変わらないと考える。スプーンやレンゲひとさじにどの程度の塩がかかっていればよいのかを考えて塩を振る。もちろん、言うまでもないが「かけすぎると取り返しがつかない」ということを留意した上で、慣れないうちは味見をしながら慎重に味をつけた方が良い。
はじめは難しいかもしれないが、これを意識して料理をしなければ「塩分量に対する味の想像力」が養われないのでいつまでたっても目分量で料理ができない。失敗することもあるかもしれないが、常に単位ひとくちあたりの塩分量を意識しておけば、少しずつ自分の中にモノサシが形成され、目分量の精度も上がっていくことは間違いない。
「単位ひとくちあたりの塩分量を意識した目分量料理法」は応用できる範囲が非常に広い。ハンバーグに下味をつける、餃子のあんに下味をつけるというときも同じ発想で良い。ハンバーグを4等分すると1つのハンバーグは何口分になるのかを考えれば良い。餃子のあんに味をつけるときは、餃子1つ分を一口と考えればどれくらいの塩分量で味付けすればよいのかが想像できるだろう。
手抜きが料理を上達させる「単位ひとくちあたりの塩分量を意識した目分量料理法」おためしあれ。
ドライバーにボられたことを話したらUberからほんの少し返金された
jippahitokarage.hatenablog.com
初めてのタイで、初めてUberを使い、まさかのボられるという事件。まあ笑えるくらいの事件が起こるくらいが旅行にはちょうど良いよね、くらいに考えていた。ところが完全にそんなことも忘れた今日Uberからメールが来た。
We're sorry to hear about this Experience
(Uberからきたメール)
なんと、Uberから返金するという知らせだった。そうだそうだ、そういえばあまりに憤りを感じて、タイのホテルに到着してすぐにUberにフィードバックしたのだった。
(Uberに私からフィードバックしたメッセージ)
UberXを頼んだのになぜかUberBlackを名乗るドライバーがやってきて、Uberでの課金をすぐに止めて、Uber経由ではなく現金で800THBを払わされたという話。ああ、フィードバックしてよかった。
Uberからの返金について
さて、更新された領収書を見てみよう。
Refund。え…26.13THBだけ…?どうやら、ドライバーがUberの課金を止めるまでの26.13THB分が返金された様子。まあ、それはそうか…。現金でドライバーに払ってしまった800THBまでUberが補填していたらキリがないもんな…。
Uber経由で26.13THB、現金で800THB払ったが、Uberに支払った26.13THBは返金されたという結果に。私をのせたこのドライバーがUberからどのような制裁を受けたのかは私にはわからないが、26.13THB戻ってきたことよりも、Uberがちゃんとフィードバックを読んで対応してくれたことのほうがうれしかった。
この通り、乗車履歴上の支払いはきれいに 0 THBになった。もしUberでトラブルに合ったら、ありのままにUberに伝えればなにかしら対応してもらえるかもしれない。泣き寝入りせずに伝えよう。
ボられたときの話はこちら
使いにくい画面のイオンネットスーパーを使いこなそう
近所のスーパーが閉店した。こんな田舎の数少ないスーパーがつぶれるなんて死活問題だ。どうせ他の業者が居抜きで入るんだろうとタカをくくっていたが、まったくその気配なし。過疎地域が捨てられるというのはこういうことなのかと悲しい気持ちになった。
これまで通っていたスーパーの次に近いスーパーは行けない距離ではないが少し遠いので、牛乳2Lを一気に買ってくる元気はないし、買い物も最小限におさえて少しずつ買うことしかできなかったので、イオンネットスーパーを利用することにした。
送料が無料になる5,000円単位で6回ほど使ってみたので簡単にレビューしてみる。
使いにくいイオンネットスーパーの画面
- 検索がいまいち
- お買い物メモがいまいち
- よく買うものをお気に入り登録できる「お買い物メモ」は登録時に毎回ドロップダウンリストから登録するフォルダを選択しなければならない。面倒くさい。
- わざわざフォルダを選択するのが面倒なので、空欄のままにすると「追加するフォルダが選択されないか存在しません」というメッセージが出て次にいけない。あとで整理させてよ。
- フォルダAからフォルダBへの商品の移動は「コピー」か「削除してコピー」が選べるが、「削除してコピー」を選ぶとコピー先に画面が遷移してしまう。フォルダAを整理しようとしているのに、いちいちフォルダBに飛ばされるのでまたフォルダAを開いては商品を移動してフォルダBをに飛ばされ…を繰り返さなければならない。つら…。
悔しいけれど、商品はすごく良い
と、さんざん使いにくさをあおったが、商品が良いのが悔しい。ネットではなくリアルのスーパーで野菜を買うとき、陳列されたものの中からデキの良いものを選んで手に取ることがあると思う。その「陳列されたものの中の最も良いもの」がイオンネットスーパーでは手に入ると思って間違いないと思う。実際に届いた野菜を手にとって見ると「おっ」と思うほど立派なものが届く。今のところハズレはない。むしろ、かなりハイレベルな野菜が届いていて満足度が非常に高い。
自宅に届くときには、レジ袋に入れた状態で渡されるが、ていねいに「冷凍」「冷蔵」「その他」で分けておいてくれるので、届いたらそのまま冷蔵庫に突っ込むだけ。この配慮は地味にありがたい。
くっ…あとはこの画面さえ良くなれば…
仕方がないので、この使いにくいお買い物メモを使い倒すのである。検索がいまいちなら、お買い物メモを最初に作り込むしかない。スーパーで買うものなどおおよそ決まっているのだから、決まりきったものを自分なりのフォルダを作ってそこから買い物をすることにすれば良い。
フォルダは勝手にソートされるので自分で採番する
フォルダの並びは昇順で固定なのでフォルダのネーミングで制御する。
「01_セット」のような毎回必ず買うセットを用意しておけば、「すべての商品を選択」して、選択した商品をまとめてカートに入れることで選択の手間が省ける。いつも自分で作ったセットに加えて、自分で作ったお買い物メモから買い足すことで、使いにくい画面でも自分に必要な買い物が短時間でできるようになる。
値段は少し割高かな?と初めは思っていたけれど、一定金額以上であれば無料で配送してもらえることや、野菜のクオリティを考えるとアリという判断になった。画面は使いにくいけれど、イオンネットスーパーは継続して利用している。
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夜が更けるとそこは一面 海に囲まれていた 西洋の驚異 モン・サン・ミッシェルの魅力
会社を辞めて次の会社で仕事を始めるまで1ヶ月ほど無職をやっていた頃、ドバイ、アブダビ、ローマ、ベネチア、パリ、モン・サン・ミッシェルと嫁と二人で10日かけて巡った。中でもとりわけ、最後に見た海に浮かぶモン・サン・ミッシェルは体の奥から震えるほどに美しかった。
モン・サン・ミッシェルについて
・訪れた日
2016/10/18 モン・サン・ミッシェル内のホテルに一泊
(海に浮かぶモン・サン・ミッシェルを見るためには宿泊は必須)
・場所/アクセス
フランスはパリから370kmほど離れているので、車でも4時間ほどかかる。我々は日本人向けの現地ツアーmybus*1にバスによる送迎を利用した。mybusのツアーには、モン・サン・ミッシェル内の修道院を見学して、ランチをして日帰りで変えるツアーもあるようだが、モン・サン・ミッシェルを存分に楽しむのであればモン・サン・ミッシェル内での宿泊をおすすめしたい。
・モン・サン・ミッシェル俯瞰図
ご覧の通り、Google Earthで見てみると周囲は畑に囲まれた酪農や農家を営む農村である。シャトルバスのバス停付近と、モン・サン・ミッシェル内にホテルやレストランがある他はなにもない。
モン・サン・ミッシェル行きの無料のシャトルバスが7:30-24:00でおおよそ10分間隔で行き来しているので、それを使えばモン・サン・ミッシェルまで移動できる。シャトルバスのバス停はLe Relais Saint-Michelというホテルの前にある。
シャトルバスを使えば10分とかからない距離である。30分程度かければ歩いても行ける距離なので、モン・サン・ミッシェルが初見なのであれば、ぜひ一度は歩いてモン・サン・ミッシェルに向かってみて欲しい。干満の差が大きいこの地域特有の時刻によって表情を変えるモン・サン・ミッシェルを楽しむための準備だと思って30分かけて歩こう。
干潮時のモン・サン・ミッシェル
ATTENTION
.To-day this are will be covered by the sea
.Please remove your vehicle before the above closing time
本日、このエリアは海に沈みます。
記載の時刻までに車を移動させてください。
今ここにいるこの場所が海に沈むだなんて、なんという中二心をくすぐる良い演出なのか。興奮してくる。
Jour: 曜日
date: 日付
coefficient: 潮流係数? 110を越えると孤島になるらしい
Hauteur d'eau: 水位
Horaire de pleine mer : 満潮の時刻
Accès impossible (mont insulaire): 島が海に浮かび、出入りできなくなる時間
つまり、赤色の時刻になると入り口が沈む時間には本当に島から出ることも入ることもできなくなることを意味している。再び潮が引き始めて島を出入りできる時刻が緑色で示されている。我々はモン・サン・ミッシェルの中にホテルを取っていながら、島の外のレストランを予約していた。時刻によっては帰ってこれなくなると不安に思い、時間を調べてからシャトルバスで島の外に出た。
海の上に浮かび上がるモン・サン・ミッシェル
2016/10/18 22:40 撮影
島の外で食事を終えて、シャトルバスでモン・サン・ミッシェルに戻ってみると、いままで陸続きだったはずの島が海にぽっかり浮かんでいた。静かで、幻想的で、ただただ立ち尽くした。周囲は潮の音だけが我々を包み込んでいた。
2016/10/19 10:57撮影
朝の満潮の時間もこの通り。島にかけられた橋以外は海に沈んでいる。海に沈むモン・サン・ミッシェルが見られる時期は限られており、例えば2017年のカレンダーで言えば3月〜4月、10月〜12月が大潮のシーズンらしい*2。我々は、仕事のキリが良いタイミングがたまたま2016年10月だったというだけでなにも考えずにモン・サン・ミッシェルを訪れたが、大潮に出会えるベストシーズンかつベストな日取りだったので幸運なことに時刻によって表情を変えるモン・サン・ミッシェルを楽しむことができた。
モン・サン・ミッシェルを訪れるなら、潮の満ち引きの様子も楽しめるように日帰りではなくモン・サン・ミッシェルでの宿泊をおすすめしたい。
旅行中に利用した寝台列車の話はこちら
5年で4つのシェアハウスを渡り歩いた私がおすすめするシェアハウスの条件
25で東京に出てきてから30で結婚するまでの5年間はシェアハウスを転々と4つほど渡り歩いた。東京での最初の家は会社の寮だったが、通勤時間をできるだけ短縮したいという思いから職場の近くに住むようにしていた。仕事の都合上、職場が1年〜2年ごとに変わるということもあり、家具家電が備わっている業者のシェアハウスは引っ越し時のイニシャルコストが安いので私にはおあつらえ向きであった。
シェアハウス運営の種類
シェアハウスと一口に言ってもタイプはいろいろあるが、大きく分けるとこの2つに分けられる。
(A)友人同士で共有する部屋を借りて自ら運営する
(B)業者が運営するシェアハウスに一人で入居する
それぞれ私が感じているメリットとデメリットを整理した。
私が渡り歩いたシェアハウスはいずれも(B)の業者が運営するタイプのシェアハウスで、入居する前は見ず知らずの人と一緒に住む形態のシェアハウスだ。表の内容については想像に難くないだろう。
シェアハウスを自力で運営する以上は、一緒に住むための部屋・メンバー・間取り・家具・家電はもちろん、家賃の配分や振込などお金まわりのこともすべて自分で取り回さなければならないという運営の難しさはある。一方で、これらの難しさはすべて自分たちで決めることができるという自由度があるという言い方もできる。自由度の高さと運営の容易さはトレードオフである。
ただ、自由度が高いとはいえ自力で運営するシェアハウスの場合は「飽きたからやめる」、「都合が悪くなったからやめる」という選択が取りにくい。なぜなら、すべては一緒に住むメンバーを決めて、そのメンバー全員にパラメータをチューニングしてシェアハウスのサービスを設計しているからだ。3人で住むことで成立していたシェアハウスのうち1人が退去するという事態になれば、2人で家賃を払うことになり、たちまちシェアハウスが破綻する。3人でどのようなルールを設定しているか次第ではあるが、離脱する人は残る2人に配慮して、次に入居する人をあてがうなどの配慮は当然必要になってくるだろう。
私はどちらかと言うと、シェアハウスの魅力は「モノを持たず、いつでもどこへでも引っ越しできること」だと感じていたので(B)の業者が運営するシェアハウスを選んでいた。このあたりは、「シェアハウスに何を求めるのか」という価値観にしたがって選択するのが良い。シェアハウスの運営は大変だけれど、それもシェアハウスの醍醐味の一つだよね、と楽しめるのであれば(A)を選択するのも良い。
この記事では、私が経験してきた(B)の業者が提供するシェアハウスサービスにフォーカスして話をすることにする。
シェアハウスの選び方
シェアハウス選びはいつもオシャレオモシロメディア ひつじ不動産を利用していた。
ひつじ不動産の良いところは、単純な間取りを紹介するだけでなく、そのシェアハウスのサービスレベルについても記載してくれているところと写真が充実しているところだ。清掃やゴミ出しは業者がやるのかあるいは当番制で順繰りにまわしていくのか、利用できる共用家電にはどのようなものがあるのかがとても見やすい。また、ただ横並びでサービスの内容についてをまとめているだけでなく、特設ページなど(運営事業者がひつじ不動産に特別料金を払っている?※想像)で、リアルなシェアハウスの様子を取材しているものもある。このあたりが「オシャレオモシロメディア」を称する所以なのだと思う。
と、ひつじ不動産を持ち上げた割に矛盾することを言うが、はっきり言ってネット上のシェアハウスのサービス内容は参考程度にとどめておいたほうが良い。「こう書いてあったのに」とか「写真と違う」なんていうことはザラにあるので、気になることはすべて内覧等で事前に確認しておいたほうが良い。いや、気になることをすべて確認するというよりも、大げさに言って、そんなことが気になるような性分なのであればそもそもシェアハウスなど考えないほうが良いと言ったほうが正しいかもしれない。それくらいの広い心でWebはあくまでも参考情報としてとらえておくべきである。
シェアハウス選びで注意すべきこと
渡り歩いたシェアハウスは「2段ベッドx4という生活レベルの低い集団生活」から「おしゃれシェアハウス」までいろいろだが、シェアハウスというものは必ずなにかしらの諍いが起こる。それは絶対に避けられないと思ったほうが良い。人は人と一緒に生きようとすると必ず衝突するのである。まして、入居してはじめましての人であればなおさら。もし、いますでにシェアハウスに住んでいて「うちはうまくいっているよ、もめごとなんてひとつもないよ」と思っている人がいるとしたらそれはそれで少し危険。そのように感じているとしたら、あなた以外の誰かが不快な思いを胸に秘めて我慢しながら生活しているかもしれない。
私が経験したいくつかのもめごとの中から、シェアハウスでのもめごとの発生についてモデル化した。部屋は時刻とともに無秩序な状態*1になり、住人の不快レベルは高まっていくため、何かしら手を施す必要がある。赤い線は不快レベルの上下を表している。A氏とB氏の不快レベルの許容範囲を仮定したとき、しきい値が低いA氏だけが不快レベルが高くなった部屋への対処をすることになる。
これが「私ばかり問題」の構造である。「私ばかり掃除してる」、「私ばかり皿洗いしてる」、「私ばかりトイレ掃除してる」とA氏は感じているのである。しかし、ここでB氏はまったく悪びれる様子もないので、これがまたA氏の怒りを助長するのである。しかし、ここで「B氏わるいやつ」と決め込んではならない。なぜなら「B氏にとっては不快ではないから」である。B氏は本当にまったく悪気がないのである。
ここがシェアハウスの最も難しいポイントである。B氏にとってはとるにたらないことが、A氏にとっては気になることであったり、当然またその逆もある。
育ってきた環境が違うから好き嫌いはイナメナイ
(出典:山崎まさよし(1997)「セロリ」)
のである。今回はシェアハウス選びという意味で論じているが、家族関係や友人関係でも同様のことが言える。あなたはA氏、B氏どちらのタイプだろうか。
おすすめしたいシェアハウスの条件
清掃・ゴミ出しを外部委託している
上記の「私ばかり問題」の発生源でもっとも顕著な清掃とゴミ出しは一定のサービスレベルに従って自動的に行われるシェアハウスを選んだほうが良い。賃料を抑えるためか「清掃は住人による当番制」としているところが非常に多いが、ルールが曖昧だと絶対にうまくいかない。清掃当番は「何を、どれくらいのレベルで清掃したら『清掃した』と言って良いのか」が明確でないと、人によってばらつきがでる。もう一度「私ばかり問題」の構図を思い出して欲しい。清掃は人によって「これくらいやればOK」のレベルが違うのである。人によってばらつきが出ると不平不満が出る。不平不満が出ると清掃当番を放棄する人が出る。
私が経験した最悪のケースは「罰金制度」である。あるシェアハウスでは、業者が提供しているサービス以外に自治で会費を集めてサービスを向上するという文化がすでに醸成されていて、会費は自治の中で独自に家電を追加購入するなどにあてられている様子だった。もちろん、この活動は自治なので運営との契約書には記載されていないし、運営は「そういうものがあるらしい」としか言ってくれない。「自分たちで運営する」というような面倒なことから逃れるために事業者のサービスにのろうとしているのに、結局、自治に巻き込まれてしまうことになった。LINEグループで行われる自治のやりとりの中で「みんなちゃんと掃除しようよ」としきい値の低い人が全体に発信し始めるのである。不平不満を全体にぶちまけた上に「清掃をしなかった人は自治会費500円を罰金として納めること」という懲罰ルールまで制定されることに。
負の強化
・脅迫は、結果を挙げさせる手段としては不完全である
・どれほど強い脅しをかけても、最初に割り当てた時間が足りなければ、やはり仕事は完成しない。
・さらに悪い事に、目標を達成できなければ、脅迫の内容をほんとうに実行しなければならない場合もある。
(出典:トム・デマルコ(1999) 『デッドライン』)
この仕組みは始まった時点で終わっていた。あろうことか、500円で清掃から免れることができるという免罪符として利用する人まで現れ始めたほか、清掃もしないし500円も支払わないという人まで現れ始めた。もう完全に収集がつかなくなった。ちょうどこの頃に勤務地が変わったこともあり、私はここを退去した。これが原因というわけではなく、単純に勤務地が変わったので通例の儀式として引っ越しをしたというだけのことだが、あまり居心地の良いシェアハウスではなかった。
このトラブルのもとである清掃・ゴミ出しについて業者に任せていると、決まった時間、決まった曜日に、決まった場所を、決まったサービスレベルで清掃するので、住人が関与せずとも一定の美しさを保つことができる。これによって住人の中でもっとも不快レベルのしきい値が低い人にも触れない状態をキープできるのである。
パブリックスペースに私物を置かないルールを徹底している
住人の中には「私物だけどみんな使っていいよ」と「良かれと思って」炊飯器を追加したり、電子レンジを追加したり、コーヒーメーカーを追加したりする人が現れる。ここで注意が必要なのは「良かれと思って」やっているので、住人らの合意のないまま行われることもある。私物を共有する人は「誰にとってもサービスレベルが向上する」と思い込んでいるフシがあるが、ここには一つ問題がある。それは「新参古参GAP問題」 である。
シェアハウスの多くは、サービス開始時から住み続けている古参組が存在する。古参組は古参組の中での暗黙の自治が成り立っていることが多く、新参はその存在に気づきにくい。もちろん明文化されているわけでもないので、新参には背景がわからないのである。このあたりは古参組に聞きながらそのルールを吸収するしかない。古参組は新参に優しい人が多いが、自分たちが築き上げてきた自治への思い入れが強い人も多いので細心の注意を払う必要がある。運営との契約の中には存在していないはずの機器がパブリックスペースに置いてある場合、利用して良いのか悪いのかは中の人のみぞ知るという状態になっているのである。故に、最も理想的なのは「パブリックスペースに私物は一切おかないこと」というルールが明文化されていることである。これにより、運営側と新参入居者のサービスレベルが一致するので混乱することがなくなる。中のルールによっては「私物を置いていた場合は、共用物として利用して良い(利用されても文句を言うな)」という緩めの設定をしている場合もあるが、これも認めてはならない。私物を共有する人は「誰にとってもサービスレベルが向上する」と「良かれと思って」そうしているのかもしれないが、必ずしも全員が喜んでいるとは限らないのである。しまいには退去時に「使わなくなったので置いていきます。(みんな嬉しいでしょう?)」と誰も喜んでいない家電を投棄していくということにもなりかねないのである。パブリックスペースには、運営が定めたもの以外は置いてはならないということを徹底することが、秩序の維持には重要だと考えている。
【iMovie】地球儀で任意の2点間を飛行機で移動しているような演出を入れる方法
iMovieの「背景」演出には、地球上の2点間を赤い線で結ぶという演出を簡単に追加できる。例えば、サンフランシスコから東京をつなぐとこうなる。
演出を入れる方法
iMovieのプロジェクトで「背景」の「Blue Marble地球儀」をWクリックする。このあたりは趣味で「水彩地球儀」や「学習用地球儀」などを選択肢も以下の流れは同じなので好きなものを選んで良い。
デフォルトでサンフランシスコが選ばれているので、「選択...」となっている部分をクリックして、東京を選ぶ。
できあがり。
任意の地点を入力する方法
ここで問題なのは、「選択できる地点が有名な都市、あるいは有名な空港に限られる」ということである。日本でいえば、羽田空港(HND)はもちろん、成田空港(NRT)はあっても、関西国際空港(KIX)は存在しない。
関西国際空港を指定する方法は、入力の項目をよく見て欲しい。
入力は、「市町村、場所の名前、空港コード、またはGPS座標を入力」とある。つまり、GPS座標によって地球上のあらゆる点を指し示すことができるのである。
GPS座標はGoogleマップのURLに含まれているのでこのように読み取れば良い。
関西国際空港(KIX)はGPS座標でいうと、"34.4320024,135.2282052" に位置する。これを先ほどの地点に入力すると、
ご覧の通り、GPS座標で大阪を指している(縮尺がアレなので大阪なのか、京都なのか、滋賀なのか、奈良なのかはよくわからないが)。デフォルトで「カスタムの場所」として表記されるが、ここももちろん任意の文字列に変更が可能である。
関西国際空港(KIX)に変更するとこの通り。
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iMovieを卒業してPremire Pro CCに入門したいシリーズはこちら
タイで初めてUberを使ってボられた話
タイから日本に来ている職場の人に、バンコクの観光地のお勧めを聞いたときにUberをおすすめされたので早速使ってみた。もともとすすめられる以前から興味はあったものの、なかなか使う機会がなかったので、良い機会だと思ってアプリをインストールしてアカウントを作った。
スワンナプーム空港⇔バンコク市街のUberでの移動費 ※2017/03/20追記
■Uberを利用した日
・行き 2017/03/18
・帰り 2017/03/19
■かかった費用
・行き スワンナプーム空港→バンコク市街 ( 826.13 THB ) …UberBLACK 相当 ※後述
・帰り バンコク市街→スワンナプーム ( 425.00 THB ) …uberX
行き スワンナプーム空港からバンコク市街地のホテルへ移動する
スワンナプーム空港のまわりには客待ちのUberがたくさんいる。uberXで375THBなので、まあまあ妥当なタクシー相場くらいらしい。ただ、従来のタクシー特有の面倒な交渉ごとや、変に騙されていないかなどハラハラしなくても良いと考えればuberXのほうが良いか、くらいな相場なのだと認識していた。早速、uberXをリクエスト。
現れたドライバーに「Uber ?」と訪ねると「それは言うな」と言われる
初めてのUberだったのでドキドキしながら待っていると、Uberに記載の通りトヨタのフォーチュナーが現れ、窓から手招きをしている。海外で、しかも知らない人の車に乗るというかなりの冒険で不安だったので、念のため画面を見せながらこう聞いた。
「Uber ?」
「(なんといったかはわからないが、「それは言うな」的な言葉)」
ドライバーに話を聞くところによると、どうやらタイではUberに関する警察の取締が強化されているらしく*1、Uberで活動をしているところをポリスに見つかると罰則を受けるらしい。ゆえに、現れたドライバーはそそくさと私のスーツケースをトランクに詰め込むと乗るように促した。ポリスに見つかるとやばいことに加担していることになるのか…。このサービスを受けても良いのか…?すでに不安になってきている。
ドライバーが「これはUberBLACKだ」と言ってくる
私の拙い英語でなんとかやりとりをしようとするも、ドライバーのほうがもっと英語が話せないようでかなりコミュニケーションがかなり難航した。
「これはUberBLACKだから1,000THBだ」
というようなことを言ったんだと思う。すかさず私はこう返した。
「私はuberXを頼んだつもりだ。降りる」
するとドライバーは、
「なぜ降りるのか?」
と、本当になぜ降りるのかがわからないというようなトーンで本気で聞いてきたので少しおどろいた。ここまで本気で聞いてくるということは、もしかして自分に非があるのか?ここで自分に一つの不安がよぎった。もしかして、今回始めてのUberの利用だったのでリクエストの出し方がよくわからずにuberXのリクエストを出したつもりが間違ってUberBLACKのリクエストを出してしまっていたのかもしれない。uberXを頼んだのにUberBLACKの車が来てしまうのはおかしい。自分が間違ったのかもしれない。そう思った。
すると彼はこう言い始める。
「UberBLACKの相場でいうとあなたの目的地までいくと1,000THBくらいだけど、800THBでいいよ」
いやいやいや、ちょっとまって。私はもともと375THBくらいで目的地に向かうつもりでuberXを頼もうと思っていたのに800THBでいいとかそういうことじゃないって。確かにUberBLACKは1,000THBくらいだったかもしれないけれど、そういうことじゃないから。しかし「自分が間違えてリクエストを出したのなら仕方がないか」そう思って800THBの支払いを覚悟していたし、ドライバーからも800THBで送るからそれでいいかと念押しされたので、OKと答えていた。そう答えるしかなかった。
ところが、あろうことか、まだ車に乗車中なのにもかかわらずメールでUberから領収書が届くではないか。
この領収書が意味するところは「Uberを利用してのサービス提供はここまでにして、800THBはUberを通さずに、手数料なしでキャッシュでそのまま懐に入れよう」ということである。しかもよく見ると、やはり車はUBERXとして登録されており、私のリクエストが間違っていなかったことに気づく。
Uberサイドからみると、空港から0.39kmを走って、26.13THB支払ったという記録になっている。この状況において、私ができた最善の策はなんだったのだろうか。「800THBをUberから私に請求するようにして欲しい。私はあなたにキャッシュで800THB払うのではなくUberに支払うからその手続を」という整理だったのか。
せっかくタイまで旅行に来て、嫁も同行している中でドライバーともめて、旅行が変な空気になるのも嫌だったので、あきらめて800THBをキャッシュでドライバーに支払った。結果的に、Uber経由で26.13THBを支払いキャッシュで800THB支払ったので合計826.13THB支払ったことになる。
※2017/03/31 追記
後日、この826.13THBのうちUberに支払った26.13THBはUberから返金されました。
jippahitokarage.hatenablog.com
Uberにフィードバックしたこと
彼の車やサービスについては何の不満もなかったのでお金を返して欲しいとまでは思わないが、Uberというとても便利なプラットフォームにタダ乗りして中抜きするというやりかたは私のポリシーに反するので、この事実は事実としてUberに問題としてフィードバックした。
・上記のやりとり
・Uber上uberXとして登録しながら、UberBLACKとしてのサービスを提供してその料金を請求するのはルール違反なのではないか
・ドライバーがUberに対して秘密裏に料金をキャッシュで請求しても良いのか。今回のケースはUberに手数料が入っていないがそれは許容されるのか
・今回の乗車は目的地に目的の時間で到着できたので、ドライバーのサービスそのものは悪くなかった。ただ、このドライバーがルールに抵触していないかどうかは確認して欲しい
Uberデビューの一発目から不快な思いをしてしまい、Uberに対する良くない思い出ができた。いやな思い出はいやな思い出としてこの記事で昇華させようと思う。
帰り uberXでホテル→空港は安くて快適だった ※2017/03/20 追記
一人の行儀の悪いユーザによってUberのことを嫌いになるのもいやだったので、こりずにホテル⇔スワンナプーム空港でUber移動に再チャレンジ。帰りはuberXで快適にか安く空港に到着できた。
車内もとても清潔で良いにおいがしたし、トランクへの荷物の出し入れも対応してくれた。もちろん、荒い運転ではなく安心して乗ることができた。行きの行儀の悪いユーザのせいで嫁がUberのことを嫌いになっていたが、帰りの良いドライバーのおかげでいくばくかUberへの嫌な思いは払拭できたようでよかった。