じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

有能なコンシェルジュが恋しくて 一度解約したラグジュアリーカード(Luxury Card)に出戻りした

blog.jippahitokarage.com
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 年会費5万円のLuxury Cardは身の丈に合わないし、金属製のクレジットカードが厄介だと一度解約し、他のカードに乗り換えたが、VISAのコンシェルジュセンターことVPCCがあまりにも品質が悪いので、結局Luxury Cardに出戻りした。

Luxury Card .vs VPCC 比較

 乗り換えて初めて気がついたLuxury Cardのコンシェルジュの有能さ。こちらは、Luxury CardとVPCCを個人的に評価したデータだ。

コンシェルジュの独自評価

 LuxuryCard 41件、VPCC 23件といずれもコンシェルジュを使い倒してきたので、それぞれの依頼に対する評価を集計してみた。

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コンシェルジュの評価(個人の独自評価)

  • 利用期間
    • 2017年8月〜2018年8月(12ヶ月)…Luxury Card
    • 2019年1月〜2019年5月(5ヶ月)…VPCC
  • データ数(N=64)
    • Luxury Card 41件
    • VPCC 23件
  • 列の説明
    • 件数[件]:コンシェルジュへの依頼件数
    • 平均 受付時間[h]:依頼してから、受付完了メールを受信するまでの時間
    • 平均 回答時間[h]:回答時間の平均。回答時間の定義は受付完了メールから一次回答までの時間
      • 要件を詰めるためのメールのやりとりは含まない。受付から最初の連絡までの時間を指す
    • MAX回答時間[h]:受付完了メールから1次回答までの時間がもっとも長かった時間
    • 平均満足度[1-5]:満足度を1-5の5段階で評価したもの。
      • 満足度基準 1:ごみ / 2:微妙 / 3:依頼通り/ 4:期待を上回った / 5:期待をはるかに上回った

Luxury CardとVPCCのコンシェルジュ

 Luxury Cardは独自のLuxury Card専用のコンシェルジュセンターを持っている。

 本サービスはインターナショナルエスオーエスジャパン株式会社(アスパイヤー・ライフスタイル)東京都知事登録旅行業代理業3-7477号、合弁会社ALTOURJAPAN大阪府知事登録旅行業3-2727、及び株式会社エヌワンツアー愛知県知事旅行業登録第3-1033号との提携により提供しております。
https://myluxurycard.co.jp/contents/concierge.html?_ga=2.62746796.1254887019.1558830374-1230207507.1558539272

 サイトによれば上記説明があるので、記載があるので、インターナショナルエスオーエスジャパン株式会社(アスパイヤー・ライフスタイル)という会社がサービスを代行しているようである。
 一方、VPCCはVISAが提供するサービスとして、VISAブランドで提供するいくつかのクレジットカードサービスに付帯しているコンシェルジュサービスで、VISAコンシェルジュセンター(略称 VPCC)が集約してサービスを提供している。

 VPCCはVisaが委託する第三者サービス提供会社を通じて提供されるコンシェルジュサービスです。VPCCはVisaプラチナカードをお持ちの会員様にサービスを提供するコンシェルジュ・センターであり、各Visaプラチナカード発行会社(以降、各発行会社)が提供するカードデスク等とは異なります。
コンシェルジュ | Visa

 VPCCもLuxury Card同様、別の会社にサービスを委託しているようだが、その会社は明らかにされていない。

VPCCのここが良くない

VPCCの"1:ごみ対応"にうんざり

 旅行の手配を依頼すればHISやJTBのリンクが送られてきて、「あとはよろしく」だったり、要件を満たす商品の調査をさせたら、ググって1番上と2番目に出てくる楽天とモノタロウのリンクを送って「お役に立てずすみません」だったりと、彼らは考えるつもりがまったくない。
 コンシェルジュという響きは聞こえが良いが、実質やってくれるのは完全に1から10まで指示された作業をそのまま実行するただの作業者としてとらえたほうが良い。すでに決まりきった内容をそのとおりに実行するだけの依頼であれば、"3:依頼通り"になるが、少しでも考える要素があると"2:微妙"だったり、"1:ごみ"だったりする。

VPCCはスピード重視で回答の品質にこだわらない

 VPCCの悪口ばかり言ってしまったが、彼らは悪くない。きっと彼らが無能なのではなく、そういうサービスレベルの中でいかに回答するかということが求められているのだと考察している。何が言いたいかというと、今回、この記事を書くためにこれまでコンシェルジュに依頼してきた内容を集計したデータからあることに気がついた。それは、これだ。

VPCCは必ず受付から24時間以内に回答を出している


 改めてもう一度、比較表のMAX回答時間[h]列を見てほしい。

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 Luxury CardのMAX回答時間[h]が86.6[h]と数日かかけて回答している様子がわかるが、VPCCのMAX回答時間[h]は20時間台に収まっている。このことからVPCCは「とにかく受け付けてから24時間以内に最終回答を出して、数をさばくことを重視している」ということが想像できる。故に、スピードを重視するあまり、ググって出てきたいくつかの商品やサービスのURLをはって送って完了というように、回答の品質へのこだわりは持っていられないのではないかと考えている。
 昨今のWebサービスの利便性が向上したことによって、セルフサービスでできることもかなり増えてきている。例えば、商品やサービスについての調査であれば、コンシェルジュに依頼するより自分でやったほうが早いことも多い。ただ、どうしても複数の店舗など現地に電話しなければならない「在庫の確認」などはコンシェルジュにお願いしたいところだ。
 しかし、VPCCからは「多くの店舗に在庫を確認したが、在庫はなかった」と回答をもらったのに、しかたなく自分で調べ始めたら、近所のお店で在庫の確認が取れたりしてしまうことが続いた。このように調査の品質が悪いと、どうせVPCCに依頼しても良い回答がもらえないから言っても仕方がない。自分でやろう。となってしまった。それが平均満足度 列に反映されている。VPCCはスピードは早いが品質は良くない。

VISAプラチナトラベルの予約がVPCCからはできない

 VISAプラチナトラベルで予約する時の流れは以下の通り。

要件をコンシェルジュに伝える

VISAプラチナトラベルでの提供があるから連絡

選ぶ

別の窓口*1からの電話を受ける

電話を受けて要件詳細を詰める

 カード特典として、良いホテルを特別価格で提供することをうたっているVISAプラチナトラベルだが、残念なことにVPCCから直接予約ができない。VPCCからVISAプラチナトラベルで割引で提供できるホテルの案内を受けたら、予約時には、別の窓口からかかってくる電話を受け取って、ホテルの予約のための情報を電話越しに話さなければならないのである。指定した時間にかかってきた電話からは、「確認のためクレジットカード番号を」と言い出す始末。いやいや、待ってくれ、こういう作業が面倒だからコンシェルジュにお願いしたいのになんだこれ、とVISAプラチナトラベルに期待することはやめてしまった。

Luxury Cardの良いところ

Luxury Cardコンシェルジュは回答の品質が良い

 こちらはVPCCの裏返しになるが、とにかく文脈を察する能力が高く、回答の品質が高い。依頼内容の文脈を先読みして、調査を依頼した商品やサービスが見つからなければ、その代替となりそうなものを提示したり、今は手に入るがいつになったら手に入りそうかなどの時期まで言わずとも調べてくれる。ただ、言われたことをこなすだけではなく、利用者の困りごとを的確に捉えた上でかゆいところに手が届くきめ細かいサービスが心をつかむ。

Luxury Cardコンシェルジュデスクの電話対応が気持ち良い

 私がLuxury Cardを解約してから1年と経たないうちにLuxury Cardの3つのランクTitanium(5万) / Black(10万) / Gold(20万)のうち最低ランクのTitaniumの場合、2018年12月から直接メールでの依頼ができなくなっていた。

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 Titaniumユーザがコンシェルジュに何かを依頼したいとき、入り口は必ず電話をする必要がある。これについて「サービスの改悪だ」と記事を非常に多く見かける。一発目からメールで受け取ってほしい場合には、次のランクであるBlackの年10万のカードを手に入れる必要がある。確かに、一発目からメールで問い合わせができるのはとても便利だったので、Titaniumユーザからすると残念なことではあるが、Luxury Cardのコンシェルジュデスクは電話対応が気持ち良いので悪い気はしない。理由は以下の通り。

  • 電話がすぐつながるので待たされることはない
  • つながった瞬間に電話番号判定で名前で呼ばれる
  • 年のための本人確認は、名前と生年月日のみでカード番号などなし
  • 24時間いつでも電話受付可
  • 込み入った依頼は「メールで伝えたい」といえばメールによる依頼も可

 内容によっては「メールで伝えたほうが早い」というような内容もあるだろう。「メールで伝えたいので、いったんメールを受け取って返信したい」と伝えれば、Case IDが振られたメールが届くので、Titaniumユーザでもそれに返信する形でメールでの依頼も可能だ。

特別な記念日には花を送るなど粋な計らいがある

 親の還暦をお祝いするお店選びをLuxury Cardのコンシェルジュに依頼したときは、お店や料理にも満足できたし、還暦のお祝いとしてお花が届けられていたりと、これまた心をぐっとつかんでくる。
 もしかすると、花を手配するコストだけ考えればそれほど大したことではないのかもしれない。ただ、お店側に花を送ることを連絡し、花を手配して、といった裏側のコンシェルジュの裏側の作業を想像すると、我々のためにやってくれたんだ、ありがとう。という気持ちで一杯になる。

Luxury Cardコンシェルジュは納期を明示する

 Luxury Cardは回答の品質が良い分、回答に時間がかかることもある。いや、正確に言えば、回答の品質が良い分、それに期待して、やや難しい依頼だとしても「お願いしてみようかな」と思わせてくれるのである。
 そして、Luxury Cardコンシェルジュは有能なことに、依頼が立て込んでいたり、依頼そのものの難易度が高く、回答が遅くなりそうなときは「いつ回答する」と回答納期を明示する。
 私がこれまで仕事で出会ってきた人の中で、頼んでもいないのに自分自身に期限を切る人は総じて仕事のできる人間だ。下手すると自分の首を締めることにもなりかねない自分への期限を自ら切るという行為は、約束をして、そしてそれを守るという、本当の意味で相手を思いやる心の表れであるといって差し支えないだろう。

良いコンシェルジュサービスにはそれなりに課金が必要

 3万円台の年会費のクレジットカードにVPCCが付帯しているケースがあるが、回答の品質に満足できないので「どうせVPCCにお願いしてもまともな答えはかえってこないだろうから、依頼するのはやめよう」とせっかくのコンシェルジュサービスを上手く使えない。Luxury Cardは最低でも年会費5万とそれなりに値が張るが、面倒な雑務から開放されることを考えればそれほど高い買い物とも言えないと考えている。

*1:ツーリストインターナショナルアシスタントサービス内Visaプラチナトラベル予約デスクの担当者