じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

たった15分で赤ちゃん監視カメラ(音声付き)を余ったAndroid端末で実現する方法

子どもから目を離せないというプレッシャー

先日、第一子が産まれ、とうとう私も父親になった。

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 幸いなことに、我が子は、おっぱいを欲しがるときとオムツの交換を欲しているとき以外はほとんど泣かないので、世間で大変だと言われるような、いわゆる夜泣きに悩ませるということは今のところない。妻も夜はぐっすり眠れている様子で、そこまで手がかかっているわけではないが、やはり、24時間365日、子どもから目を離すことができないという環境はそれなりにプレッシャーがある。

 そこで、子どもが寝ている部屋にスマートフォンをセットし、そのカメラの映像とマイクの音声を自宅のどこからでも別のスマートフォンやPCから確認できるようにした。子どもを部屋に置いて別の部屋に移るのは少しドキドキするし、声も届きにくい。直接見える場所にいなければ、食事中でも子どもの様子に異常がないか心のどこかで不安な気持ちになり、そわそわしてしまう。

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 この仕組みを試した当初は、そこまで効果を期待していたわけではなかったが、 実際にやってみると、思いの外、精神的な安らぎが得られることが分かった。 PC のモニタ上でぐっすりと眠っているわが子を見ながらゆっくり食事をとれるという、たったこれだけのことが心を穏やかにする。 もし自宅にカメラ付きのAndroid端末が余っているのであればやらない手はない。

 今考えてみれば、病院での赤ちゃんらは、まさに「死活監視*1」されていたことを思い出す。ping監視よろしく赤ちゃんをのせている台は呼吸をセンシングして、異常が発生した場合はアラートがなる仕組みになっていた。呼吸をどのようにセンシングしているのかはわからないが、台から持ち上げて赤ちゃんに授乳をするときは、「監視無視*2」のためセンサをOFFにしてから持ち上げるように看護師さんから指導を受けていた。NST*3でさえも、リモートで先生が様子を確認できるようにワイヤレスでセンシングして、結果を飛ばしていた。育児に使えるIoTは家庭でも積極的に使っていきたい。

具体的な実現方法

 端末の買い替えなどにより自宅に余ったAndroid端末があるのであれば、わざわざ専用のWebカメラを買うことなくAndroid端末を監視用のカメラにすることができる。

 Android端末を Web カメラにするのに必要なものは以下の通り。

・Androidスマートフォン
・閲覧用の端末(AndroidでもiPhoneでもPCでもなんでもOK)
・簡易的な三脚
・自宅のWi-Fi環境

IP Wecamを監視用Android端末にインストールする

Google Playで IP Webcamを検索してインストールする

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 すぐにカメラとしてサービスを開始するには、IP Webcamのメニューの最下部にある「映像ストリーミング開始」をタップする。他にも設定がたくさんあるので、自分の環境に合わせて変更する。例えば、監視用Android端末にアクセスしたときに、ユーザとパスワードを入力させることもできるし、自宅にグローバルIPがあれば、インターネット経由で監視用のAndroid端末にアクセスさせることもできる。ここでは、自宅のWi-Fi環境は家族以外が利用しない安全なネットワークであることを前提に、デフォルトのまま映像ストリーミングを開始する。

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 ストリーミングが開始した状態では、カメラの映像が画面に表示され、アクセスするためのIPアドレスおよびポートが画面下部に表示されている。

 ビデオ接続:0、audio:0は後述の「アクセスしている端末の数」を示している。また、ストリーミング停止するときは、右上の「動作」から「停止」をタップすると終了する。

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※ものが写り込まないように手でレンズを隠しているので真っ暗になっている

 簡易的な三脚につければ監視用カメラの出来上がり。使っていなかったAndroid端末を引っ張り出してきてそのままなので、かなりほこりまみれなのはご愛嬌。三脚には、その昔、小さなデジカメを持っていたときに使っていたゴリラポッドと、3年前くらいの忘年会の景品であたったセルフィースティックのアタッチメントを組み合わせてスマホ用の三脚にした。

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 スマホ用の簡易的な小さな三脚が扱いやすいと思う。もちろん、監視したい画が切り取れるように任意のロール・ピッチ・ヨーで固定さえできれば何を使ってもかまわない。

別の端末から、監視中のAndroid端末にアクセスする

 先ほどストリーミングを開始した端末とは別の端末からアクセスしてみる。別の端末はAndroidからでもiOSからでもPCからでもなんでも良いが、ここでは別のAndroid端末のブラウザChromeからアクセスしてみる。最初の図で言うと、「キッチンから赤ちゃんの様子を確認するイメージ」だ。

 http://(監視用カメラにしたAndroid端末のIP):8080 にアクセスする。ここでアクセスすべきIPアドレスは、監視用カメラにしたAndroid端末の、ストリーミング中の画面下に記載されている。

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 ブラウザで開いただけの状態では、何も表示されていない。ここで、ビデオレンダリングとオーディオプレイヤーの方式を選ぶことができる。

  • ビデオレンダリング
    • Flash
    • ブラウザ
    • Java
    • JavaScript
  • オーディオプレイヤー
    • Flash
    • HTML5 Wav
    • HTML5 Opus

 いずれも、得られるのは監視カメラにしたAndroidからのカメラの映像と音声であり、再生する方式が違うだけなので、何を選んでも良い。環境によっては再生されない場合があるので、再生されない場合は別の方式を選択する。

 ここで注意が必要なのは、「双方向音声通話はONにしてはならない」こと。今どきのLINEやSkypeなどの双方向音声通話は、相手の音声を自分のマイクが拾ってしまわないようにエコーをキャンセルするしかけが実装されているが、このIP Webcamの双方向音声通話は相手の音声をマイクで拾ってしまう現象、いわゆる、ハウリングが起こる。「双方向音声通話」が利用できないわけではないが、一方がイヤホンやヘッドフォンなどを利用するなど、再帰的に音声を拾わないような工夫をしていない場合は双方向音声通話はONにしないように注意して欲しい。

 ここでは、ビデオレンダリングに「ブラウザ」、オーディオプレイヤーに「HTML5 Wav」を選んだ様子。映像がきちんと動いていること、音声が聞こえることを確認したら、監視カメラの確認完了。※ただし画面は説明の流れの都合によりハメ込み

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 実は、ブラウザから写真を撮影したり、動画を録画したりすることもできる。言うなれば、Android端末上でできることは、ほぼブラウザから操作できると言って良い。

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 もちろん、Android端末で監視させているので、赤ちゃんを放置して良いということにはならないので、あくまでも、「ちょっとトイレに」、「ミルクや食事を作りにキッチンへ」、「食事の間だけ」など、ちょっとしたときに使うには便利なツールだと思う。

今後も育児に関する効率化については、更新していこうと思う。

*1:IT用語。システムが正常動作しているかどうかを監視すること。

*2:システムメンテナンス時に発生するアラートを事前に出ないようにするか、または、アラートが出ても対応不要であることをオペレータやSEに連絡すること。

*3:子宮の収縮の度合いを図るテスト。ノンストレステスト。