結婚指輪不要派の俺が、結局、指輪をすることにした話
「ねえ、結婚指輪は?」
「指輪?」
「結婚したらさー、指輪はするものじゃん?」
「え、そうなの?最近ではしない人も多いよ。」
「結婚式でさー、交換の儀式があるしさー。ないと変じゃん?」
「結婚式のことなら式次第からはずすこともできたはずだけど?」
「どうして指輪しないの?」
「え、逆に聞くけどどうして指輪するの?する意味がわからないもの。腕時計と違って時間がわかるわけでもないし。通信もできないんでしょ?歩数も測れないし。せめてなにかほら、睡眠時間のログや脈拍、血圧のログが取れて、あなたの健康状態を監視します!みたいなさ。スマートリング?みたいなのだったらいいよ。そんなものがあるかどうか知らないで言ってるけど。」
「もういい。」
かくして結婚式を1ヶ月前にして、理屈っぽい私と嫁は険悪なムードになるのであった。
以前、こちらでも書いていたが、ある日突然結婚式をしたくなるような人間はいないのと同様に、ある日突然指輪が欲しくなったり指輪をしたくなったりするようなことはありえない。
jippahitokarage.hatenablog.com
まして、生まれてから数十年の間、左手の薬指に金属の輪をはめたことなど一度もないし、これがあと数十年、いや死ぬまでこの指にはめ続けることを考えるとぞっとする。つけてもなんの得もない。指に金属をまとわりつける行為にいったいなんの意味があるというのか。時刻を知らせてくれる腕時計でさえ、時間ならスマホやPCでみれば良い、と邪魔に感じているほどだ。
ただ、指輪をしないための防衛策として理屈をこねているものの、嫁が指輪を欲しがっていることには変わりはない。なにも私も絶対に指輪は買わない、しない、と頑なに指輪を拒んでいるわけではない。私が指輪を買う理由がみつからないだけなのだ。ここは何とかして、自分が指輪を欲しくなるような理由を考えようと思った。
「嫁が喜ぶ姿が見られる」
でしょうね。それは間違いない。それは間違いないのだが、弱い。これだけでは非常に弱い。私にとって直接嬉しいことがない。そこで「既婚男性指輪アリ」に少しヒアリングしてみた。
「つけてみると意外と邪魔にならないもんだよ。すぐに慣れるよ。キーボードをたたくときも平気だよ。」
いいや、だめだ。マイナスではないと言っているに過ぎない。それはメイプル超合金でいうところの、
「靴べらかじって『おいしくはないけど、決して害はない』って言うようなもん」
である。他にも、
「そこまで高いものでもないし、買っちゃいなよ。それで奥さんが喜ぶならいいんじゃない。」
などと言う。全然だめだ。値段のことを言っているわけではない。もちろん価値のわからないものにお金を払いたくない気持ちはあるけれど、そこは本質ではない。そこで次は「既婚女性指輪アリ」にヒアリングして見ると驚きのこたえが返ってきた。
「女性は初対面の男性が指輪をしているかどうか、一番最初に確認しているよ。別に何か考えているわけではないけれど、指輪をしている男性だと話しやすいの。きっと、指輪をしていたほうが余計なことを考える必要がなくなるから、コミュニケーションは円滑になると思う。」
なん…だと…。女性が初対面の男性の指輪をしているかどうかをまず最初に確認しているということなど気にしたこともなかった。しかもこの話は一人だけにヒアリングして得た結果ではない。私の身近では少なくとも3人はまったく同じことを話していた。
<男性が結婚指輪をしている場合>
①男性は既婚者なので恋愛の対象外であることを確認
②男性は既婚者なので自分も恋愛対象外であることを確認
③男性は常に指輪をするほど妻を大切にしていることを確認
これらを確認した女性は、男女という枠を越えてコミュニケーションをとることができるため、より親密になるのだという。これらの効果をあえて声に出さずとも左手の薬指に金属をつけておくだけで伝わるのである。つまり、結婚指輪とはノンバーバルコミュニケーションである。「ご結婚されているんですか?」という聞きづらい質問をこのツールによって円滑に解決するのである。
結婚指輪をすることに対して「メリットは?」「意味は?」と理屈でゴネるタイプの夫のみなさん。結婚指輪はコミュニケーションツールだと思って購入してみては。
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