じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

UiPath入門(7)〜Back Office RobotsとFront Office Robotsの違い

こちらの記事でOrchestratorやライセンスについての紹介をしたが、やはりBack Office Robots(BOR)とFront Office Robots(FOR)のライセンスの違いが分かりにくいために、UiPath Communityサイトでもこの質問が数多く寄せられている。
blog.jippahitokarage.com

違いは"Orchestratorから実行できるか否か"

このスレを見ると、その違いが明示されている。
forum.uipath.com

The main difference between the 2 is that processes cannot be started from Orchestrator on Front-office Robots. On FORs, only a human ca trigger the process from the robot tray app.
(2つのライセンスの主な違いは、FOR上のプロセスはOrchestratorから実行できないこと。FORは人間がタスクトレイのRobotsから手動で実行することしかできない)


Back-office robots can do everything FO robots can, plus they can be remotely started from Orchestrator.
(BORはFORができることを包含しており、加えてOrchestratorからの実行も可能である)

つまり、以下の構成の場合はこれだけのライセンスが必要になる。

  • Studio x1
  • Orchestrator x1
  • Robots, Front Office x1
  • Robots, Back Office x3

f:id:jippahitokarage:20170930093550p:plain

ただし厳密に言えば、StudioとFORの場合は"Node-locked"と"Authorized user"の2つのタイプの課金の方法が選べる。"Node-locked"は端末固定で1OSごとに課金されるのに対して、"Authorized user"は利用する人の数で課金される。もちろん、前述のようにBORは人間を介在しないことが前提なので"Node-locked"しか選択肢はない。

BORの価格はFORの価格の5倍

UiPath Communityで公式のエンジニアがこのように話している。

FO is 1/5 of the BO cost

FO - is triggered by a human that shares the same desktop with the robot. It can't be scheduled
BO - can be triggered, managed, controled from the Orchestrator

UiPath Orchestrator - How To - UiPath Community Forum

前述のように、FORの機能はBORに内包されているので当然BORの方が値段が高い。おそらく、RPA化を検討している多くの企業はBORをイメージしているはずだ。ではFORの価格設定はいったい何のためにあるのか。

ここにUiPath公式がFORを利用する意義について述べている。Connecting with Customers: RPA in the Front Office

FORの利用としては、コールセンターをイメージしているようである。コールセンター業務で利用している端末をFORとして利用することで、マクロ感覚で手作業を自動実行できるというものだ。単純に作業時間を圧縮できて、ヒューマンエラーも防げるということ狙っているとのこと。

たしかに、コールセンター業務など全く同じオペレーションを100人のスタッフが自分の端末上で手動実行するという利用シーンはフィットするかもしれない。

一方で、上記構成のように「一人が1台で使う」というようなものであれば、わざわざFORのライセンスを買わずとも、UiPath Communityライセンスの無償範囲で事足りるかもしれない。

インストールメディアはBORもFORも同じ

前回*1も紹介しているが、基本的にインストールメディアはStudioとOrchestratorの2種類しかない。Studioをインストールすれば同時にRobotsもインストールされる。BORかFORかはOrchestratorにRobotsを登録するときにTypeとして選択することになる。もちろん、どこに何を何台動かしているのかなどUiPathが知る由もないので、正しく申告して、正しく支払うという紳士協定になっている。

まとめ

  • Back Office Robots
    • Orchestratorからのスケジュール実行できる。価格はFront Office Robotsの5倍。
  • Front Office Robots
    • Orchestratorからは監視しかできない。実行契機は手動でタスクトレイのRobotsからの実行。

どうやら最近では、公式の日本語ドキュメントも充実してきたようなのでわからないことがあれば、ここを参照すると良いかもしれない。https://studio.uipath.com/v2017.1/docs/introduction

UiPath入門シリーズはこちら

blog.jippahitokarage.com