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じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

美容室での「すべらない話の強要」を避けるために自宅で髪を切ることにした

※理美容業界のみなさまを不快にする表現が含まれている可能性があります。が、これが一部の利用者の忌憚のない思いです

東京から京都に引っ越しをしたので、髪を切るにも初めて行く美容室にいかなければならない。こちらにきてから嫁が初めて行った美容室の接客がいまひとつだったという話をしていた中で、二人の思いが一致したこと、それは「切ってもらっている間の会話が面倒である」ということだった。

美容室で聞かれる いやな質問 Top 3

  • 「週末どこか行きました? (行くんですか?)」
  • 「夏休み/冬休み/ゴールデンウィーク はどこか行きました?(行くんですか?)」
  • 「この後どこか行くんですか?」

突然ふられるすべらない話。理容師・美容師のみなさんは初めての客に良かれと思って質問を投げかけてくれているのは理解しているが「いやいや、初めてきたこの店で、あなたとそこまでプライベートなことを話すほど親しい関係になっていないですよ」という気持ちを押し殺して、脳をフル回転させてすべらない話を作り上げる。

きっとこれを見ている理容師・美容師のみなさんは「そんな気をつかわなくてもいいんですよ。何もなければ『何もない』それでいいんです」とそう言うだろう。「話したくなければ『話したくない』そういってもらえればいいですよ」そう言うだろう。しかし、話しかけられた以上は、より良いコミュニケーションをしようと努力してしまうのが人の性というもの。「話したくない」など面と向かって言えるわけもないのである。そうなると、リラックスしながら髪を切ってもらうというよりも、面白くない話をしてへんな空気にしてしまわないようにとなんとかして気をつかうものなのである。

よくホットペッパービューティーのクーポンを使って美容室に行く嫁曰く「予約時に選択できる『なるべく静かに過ごしたい』が接客に反映されたことはない」という。

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ホットペッパービューティー 予約画面より)

話しかけられないための究極の形「瞑想」

話しかけられないために、質問に対してあえてそっけない回答をするという方法もある。話をあえてはずませない、という行為である。

「週末どこかいったんですか?」
「はい、行きました」
「……えっと、どこに行ったんですか?」
「映画を見に行きました」
「映画、いいですね!何見たんですか?」
「『君の名は。』見てきました」
「あー、人気ですよね!どうでした?」
「面白かったですよ」
「そうなんですね!」

これを私は必要最小限回答戦略と呼んでいる、聞かれたことにしか答えないという必要最小限の回答で、会話を望んでいないことを暗に示す方法である。

一見会話が成立しているように見えるが、普通、円滑なコミュニケーションを心がけている人であれば、「週末どこいったんですか?」という一言から、「今テレビとかネットでも話題になってる『君の名は。』って知ってます?あれ見てきたんですけど、人気があるだけあってやっぱり面白かったですよ」まで展開して話をするだろう。そこをあえて聞かれたこと以外は何も語らないというスタンスを貫くことで、二度手間、三度手間にさせて会話したくないことを強調するのである。

しかし、この方法は通常かなりの自分自身にも精神的負担を伴う。サービスを提供する側は、顧客と親密な関係を構築しようと一生懸命話しかけているのにも関わらず、こちらから一方的な拒絶を示すサービスを提供する側にストレスを与えることになる。相手にストレスを与えることをわかっていながら行うこの行為は、受ける側だけでなく自分自身にもストレスを生じる諸刃の剣なのである。

無論、サービスを提供する側も、自分に話しかけたくて話しかけているわけではなかろう。サービスの一環として会話をしているのであって、「てめえの週末のことなんぞ微塵も興味ないわ」と思いながらも、とっかかりがないと顧客と、なんとか関係を構築するためにやむなく話しかけているという背景もあるだろう。

もし、話したくない顧客と話したくない美容師が他愛もない会話で消耗しているのだとしたらこれほど悲しい現実はない。そこで私が行き着いた究極の形、それは「瞑想(meditation)」である。

目を閉じて深い瞑想に入っている私に話しかけてきた美容師は誰一人としていない。最初に、どのような髪型を希望するのかを伝えた後は瞑想にふけるのである。初めて訪れる美容室で、最初にこの瞑想スタイルを確立すれば、2回目以降は「瞑想の人」として気兼ねなく瞑想にふけることができる。

初めは目を閉じることに抵抗がある人もいるかもしれないが、勇気を持って一度試してみて欲しい。あなたは、深い瞑想によってもたらされる心の穏やかさ、突然おとずれる「すべらない話の強要」から開放され安らかな心で髪を切ってもらい、髪を洗ってもらう心地よさを体験することだろう。

美容室に行くことさえ億劫になり自宅で切ることに

しまいには美容室まで足を運び、話しかけられないために瞑想するこの時間すら億劫になり、嫁にお願いして自宅で髪を切ってもらうことにした。

当然、美容師・理容師として活躍するプロのみなさんと違い、こちらは完全にアマチュアである。うまくいくかどうかはまったく未知数だが、失敗したら美容室にいってプロに助けてもらおうくらいなつもりでカットに挑戦した。

カットは殊の外うまく行った。本当なら専門学校で修行を積むくらいの覚悟をしなければ学べないことが、最近では、簡単にYoutubeで学ぶことができる。便利な世の中になったものだ。

もちろん、プロにはプロなりの、アマチュアではなし得ない技術をもっているのかもしれないが、私が求める髪型は、「自分自身が不快でない」「見る人を不快にさせないさわやかさ」を求める程度であれば、専門学校で2年も学ばなければならないほど高度な技術は必要としないのである。

行くのが面倒だな、という程度で初めたこの自宅ヘアカットは、「美容室での面倒な会話」を避けられるだけでなく良いことがたくさんある。

  • カット代が浮く
  • 映画を見ながらカットしてもらえる
  • 予約が必要ない/待ち時間がない
  • 移動の必要がない
  • カットに対しての注文がつけやすい
  • ヘアカットがひとつの行事になる

一度のカットで4,000円〜5,000円払っていたが、自宅でカットすることにすればこのヘアカット代が浮くことになる。映画を見ている間にカットが終わるというのが本当にありがたい。

あまりにコストパフォーマンスが良いので、道具にもっとお金をかけようという判断で、プロが利用するというようなものではないが、家庭でのヘアカットを本格的にやる人向けのコンセプトでつくられた富士山シザーを買った。

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プロモーションがとても上手。「プロ以外の方はご使用の前に必ずお読みください!」のメッセージに心躍る。自宅でのヘアカットだけれど、プロ気取りでやってみたい人には心地よい響きである。

実際に使ってカットした嫁曰く、スキバサミ*1のスキ率20%がとても扱いやすく、思い通りのカットができるのだという。少し良いハサミを手に入れても2回カットすれば元をとれてしまう。次は、私が嫁の髪をカットするのにも挑戦しようと思う。

富士山 シザー カットシザー & セニングシザー 2丁セット 美容 家庭用 ハサミ セニング スキバサミ 散髪 はさみ

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*1:セニングシザー(Thinning scissor)と呼ぶらしい