じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

私が大好きだったコード・ブルーはもう死んでしまったよ。

3rdシーズンの放送が始まるということで、1stシーズン、2ndシーズンとFODで見返していよいよ3rdシーズン。3rdシーズンの第2話までみたところで、7/26の記事では以下のように書いた。

コード・ブルー3rdシーズンを第2話まで見た。これまでの息を呑む展開が連続する作りではなく、ギャグまじりの恋愛ドラマのテイストが強めになっていて、やや短調で間延びした感じ。正直、テンポが悪い。
【コード・ブルー】救急救命という生と死の間の世界で 失敗と挫折から成長する20代の若き医師らに心打たれる - じっぱひとからげ

第3話以降、単調だった第1話と第2話の雰囲気を吹き飛ばすほどの、息もつかせない手に汗握る展開と、彼らがさらに成長していく姿に期待。
【コード・ブルー】救急救命という生と死の間の世界で 失敗と挫折から成長する20代の若き医師らに心打たれる - じっぱひとからげ

私の期待をよそに、ギャグ混じりの恋愛ドラマテイストをそのまま引きずった話がメインになっている。もう、私が好きだったコード・ブルーは死んでしまった。

医師や看護師の色恋沙汰は正直どうでもいい

冴島が妊娠した話をわざわざテーマに取り上げた意図もよくわからないし、緋山が包丁を握れなくなった料理人に恋心をいだいているのも意味不明だし、フェローの一人が緋山に思いを寄せている雰囲気まで出す始末。

いや、もうそこ、本当にどうでもいいわ。ことコードブルーにおいては。

登場人物が気持ちをしゃべりすぎている

コードブルーに思いを寄せ、1stシーズンから2ndシーズンはもちろんチェック済みで、3rdシーズンを楽しみにしていた友人と、コードブルーについて話す機会があり、何がいまひとつなのかという話したところこれが共通認識だった。

つらいとか、悲しいとか、意志決定が難しいとか、困っているとか、好きとか、きらいとか、わからないとか、こわいとか、本来ドラマを見ている我々が想像で補完すべき心情がセリフとなって切り出されすぎていて、自分で読み取っている気がしない。

ときどき、ここぞという場面で入ってくるナレーション風の登場人物の独り言は本当に蛇足。いやいや、もうそれわかってるから。画から読み取れるし、そこは僕らにやらせてよ。

言うなれば、さあどうぞと目の前に料理を用意された上に、口の前まで運んでもらって食べているような。口の中に料理をねじ込まれて、「ね、おいしいでしょ?」とたずねられているような。そんな気持ちになる。

もっと想像させて欲しい。もっと感情移入することを楽しませて欲しい。

2ndシーズンまではもっと感情に関するセリフは少なかったように思う。ある意味では不親切といっても良いのかもしれない。え、え、なになに?何いまの?とか、あれ、この感じはもしや…?といろいろなことを想像させられる。それが心地よかった。だから毎回ハラハラしながら見ていられたのだと思う。

テーマにまとまりがなく、それぞれがうすっぺらい

2ndシーズンまでは、医師も患者もそれぞれの回ごとにある一つのテーマでつながっていた。例えば、第6話「秘密」。この回では、ただの胃潰瘍だからじきに治ると患者である母親から聞かされている息子は、実は母親がただの胃潰瘍などではないことを知っていながらそれを母親に秘密にしていたり、相沢の母親の死について、祖母と父親が秘密にしていたり、白石の父親が末期の癌であることを白石に秘密にしていたりと、すべては「相手を傷つけまいとする愛情から、『秘密』にすることもある」という少し歪な関係を描いている。患者だけでなく、医師も含めて何かしら人生を患っているという話が展開される。

ところが、3rdシーズンではこれまでのような共通項的なテーマが読み取れない。患者もフェローも結局キャラが立たないまま回が終わって、話が積み上がっていかない。だから、どうしてもうすっぺらく感じてしまい、最新話を見る前は「あれ、前回なんだったっけ」くらいな印象しか残っていない。

私が大好きだったコード・ブルーはもう死んでしまったよ。