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じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

31歳SIerからユーザ企業の情報システム部門への転職(12)

シリーズはこちら。最初から読む方もこちからどうぞ。

jippahitokarage.hatenablog.com

 

満足のいく内定通知書がもらえたら内定に対する承諾をエージェント経由で連絡をして退職交渉に入る。

 

■会社の辞め方

新卒で入った会社を辞めようとしたわけだが、初めてのことなので会社の辞め方を知らない。漠然と、ドラマのワンシーンでしか見た辞表を突きつけてケンカ別れする画しか浮かんでこない。

面接から内定をもらうまでサポートしてくれたエージェントに「転職サポートのスペシャリストならではの、会社の辞め方マニュアルってあるんですか?」とあまり期待せずに聞いてみたところ、なんとしっかりしたマニュアルが用意されていた。

マニュアルには、考えればあたりまえなことも多いが、興味深いことがいくつかあったのでいくつか紹介したい。

①次の会社の名前は絶対に言わない
②論理的に話すより、強い意志を貫く
③課長(上司)、部長、事業部長、役員、代表取締役、人事の順で報告する 

いずれもある意味、エージェントにとって都合の良いことが書いてある。担当している転職希望者の転職が成功することこそが報酬に直結するエージェントにとって好都合なことが書いてあるのわけだが、この時点で、彼らとゴールが同じになっていないようであれば、転職することそのものを考え直したほうが良い。エージェントからすると、ここで内定者が転職そのものを辞めてしまったり、退職交渉に失敗して、話そのものがなくなってしまうリスクをできるだけ減らしたいと思っているのは間違いないし、転職希望者に不利になるようなことは言わない。エージェントと一緒にどう円滑な退職と入社を協力して進めていく。

ここで言っている協力というのは、せっかく会社をやめるのだから間をたっぷり無職ライフを楽しんでから、たっぷり休んでから心機一転して次の会社に入社したいという本音も含んでいる。彼らとは最初から最後まで利害が一致しているので、本音で会話ができる。彼らは転職者を高い年収で入社させることができればインセンティブがあるだろうし、転職者の満足度が高ければ円滑な転職支援ができ、利益にもなる。このあたりはエージェントのサービスを利用する最大のメリットと言っても良い。エージェントには本音をぶつけておけば、「先方には、こういうテイで伝えておきますね」とよろしくやってくれる。

現在、7月末で10月1日の内定通知書をもらっている。会社を辞めるというまたとない機会なので、先方には入社を11月1日に延ばしてもらい、9月末退職することで10月を完全な無職期間にしようと考えていた。

 

■上司に会社をやめることを伝える
さて、いざ会社を辞めるということを上司に伝えようとなると、いつ、どこで、どのように話すべきかと思い悩んだ結果「【相談】今後のキャリアについて相談があります」という件名でメールを送り、本社の会議室をおさえて面談を依頼した。普段は客先に常駐していたので、かなり違和感のあるメールだったと思う。あいにく広い会議室しか空いていなかったので、広い会議室に上司とサシで対面で座る。

 

「わざわざお時間いただいたのは他でもありません。」

「うん、なんとなく想像はついているけど」

「であれば、話は早いです。会社を辞めることにしました」

「えっ、そっち!?」

 

どうやら上司としては、いま担当している維持運用の現場では新しい技術に触れる機会が少ないので、開発の現場を望んでいるという、これまで話してきた思いについて改めて話す場をもうけたのだと考えていたらしい。

 

「そっちかー!そっちはちょっと想定外だったな…」

 

私の会社を辞める意志は固まっていたので、とにかく面倒にならないように退職交渉を進めることを考えて、マニュアルにあった文言を拝借した。

 

「知人の紹介で会社を手伝うことにしました」

「あ、そうなんだ。であれば、もういつからとかは決まってるってことだよね」

「はい、10月1日に入社を予定しています」

 

内定通知書には10月1日入社と記載されていたし、知人(エージェント)の紹介でその会社からオファーを受けていて、手伝う(入社する)ことも嘘ではない。知人の紹介で会社を手伝うという響きから、上司は「友人が経営しているベンチャーに入社することになった」と想像を膨らませてくれた結果、スムーズに事が進んだ。非常に理解があり、良い上司であったので少し心苦しかったが、こちらが望む姿になるまでは交渉にお付き合いいただくことにした。

 

「引き止めたい気持ちはもちろんあるけれど、もう意志も固そうだし、そういう事情であればこちらとしても、ぜひ応援させて欲しい」

 

上司の言葉が刺さる。

 

「いったん、まずXXXさん(部長)には話しておく。現場にはまだ伝えていないということなので、この話をどのタイミングで現場やお客さんに出していくのか、今後の体制については改めて話をさせて欲しい」

 

これで1回目の退職交渉が終わった。本当に良い上司で、理解がとても良かったので、本当に話はスムーズだった。おそらく、普段の私の仕事ぶりも見ているので、一度辞めると言い出した私に対して、何か言葉巧みに引き止めたところで揺らぐことはないとそう考えていたのだと思う。

エージェントからもらったマニュアルには「給料を上げるから」「仕事の内容を変えるから」とあの手この手で引き止めに合うが固い意志で立ち向かうべしと書かれていたが、一切そんなことはなかった。「友人の会社を手伝う」と宣言したせいか、次はどこの会社行くのかとも聞かれなかった。

自分勝手なのは承知だが、あまりにもスムーズにことが運び、本当は少し寂しかった。

 

31歳SIerからユーザ企業の情報システム部門への転職(13)に続く

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