AndroidのTalkBackを利用してKindleの本を読み上げさせて耳で読書を楽しむ方法
Androidには目の不自由な人向けにTalkBackというアプリケーションが用意されている。
(この段落を読ませた音声はSOUNDCLOUDで聞くことができる)
これをインストールすることで、どんなアプリケーションであろうとも読み上げさせることができる。もちろん、Kindleの本を読み上げさせることができる。これで満員電車だろうが、お風呂の中だろうが、ウォーキング中だろうが耳で本が読めるのである。目の不自由な人にとっては必須のツールなのかもしれないが、そうでない人が使わない理由などあるまい。Kindle Unlimitedが始まっていることもあるので、これであなたも耳読書無双が始まる。最近の音声合成はとても良く出来ている。一部読みを誤るケースもあるが、日本語がとてもきれいで読み上げさせるには十分すぎる。
手順は以下の通り。*1
- Google PlayでTalkBackをインストールする。
- 設定>ユーザ補助>TalkBack>ON
- TalkBackのチュートリアルを少しだけ触ってみる
- Kindleを起動する
- 読みたい本を開く
- 右にスワイプしダブルタップ(サッサッと1秒間くらいで続けて)
1.Google PlayでTalkBackをインストールする。
2.設定>ユーザ補助>TalkBack>ON
TalkBackインストール後は、設定のユーザ補助にTalkBackの項が追加されるので、TalkBackをONにする。TalkBackがONになると操作性が大幅に変わります。TalkBackの操作方法に慣れないと、TalkBackをOFFにできずにあせることになります。TalkBackを一時的に無効にする方法はこの記事の最後にあります。
3.TalkBackのチュートリアルを少しだけ触ってみる
初回は、TalkBackのチュートリアルを少しだけ触ってみることをおすすめする。なぜなら、これまでの通常のスマートフォンの操作方法と異なるからだ。チュートリアルを無視して先に進めると、下手をするとTalkBackをOFFにする方法がわからなくなってしまいかねない。全部をやる必要はないが、感じをつかむために少しだけやってみたほうが良い。
TalkBackは目の不自由な人向けのスマホ操作方法を提供するものなので、目を閉じていてもスマホを操作できるのだ。操作方法の違いは端的に言うと3つだけだ。
①スワイプは1本指ではなく、2本指で行う
②タップするとタップした場所の文字が読み上げられ選択される
③②で選択された状態でダブルタップ(どこでも良い)すると②で選択された部分が通常の1回タップと同等の動きになる
つまり、②で押したい部分を探し当てて、見つけたら画面上の適当な場所をダブルタップするという流れになる。
チュートリアルでは、一連の動きについて確認できる。すぐに感覚がつかめるはずなので必ずしも全部やる必要はない。
4.Kindleを起動する
なれない操作ではあると思うがTalkBackをONにした状態でKindleを起動させる。
5.読みたい本を開く
いつものようにKindleの本を開く。
6.右にスワイプしダブルタップ(サッサッと1秒間くらいで続けて)
ここが最大の難関である。本を開くとTalkBackがこのように説明する。
「通し、読みを開始するには、右にスワイプし、ダブルタップします」
「メニューを表示するにはダブルタップします」
「テキストを選択するにはダブルタップしてホールドします」
通し、読みを開始するには…?なんだか日本語の区切りがおかしいが、要するにページまたぎで「通し読み」をするには、ということを言いたいようなので右にスワイプし、ダブルタップする。
これが意外と難しい。
右スワイプとダブルタップの間に一呼吸いれてはいけない。「右にスワイプし、ダブルタップする」のこの一連の流れは、マウスでいうところのダブルクリック感覚で、短時間で入力が必要になる。そう、あれだ。波動拳をイメージして欲しい。右スワイプからのダブルタップ タッターン!そうすると、本の読み上げが始まる。
<失敗例>
これは、「このページ(青枠)の読み上げ」が始まっているだけなので、ページを読み終えると止まってしまう。通し読みが成功したときは、外側の青枠は現れずに読み上げが始まっている状態である。通し読みの場合は、ページとページの間は読み上げが一呼吸おいてから、ページめくりが自動的にされて読み上げが継続する。
TalkBackのOFFは 2.設定>ユーザ補助>TalkBack>OFF にすれば良い。ながら読書であなたの読書ライフに革命を。
2016年08月21日追記----
TalkBackのOFFは上記手順だと非常に面倒くさい。TalkBackがONになっているとスワイプが2本指で操作が必要であること、タップしてからダブルタップして初めて通常のタップをしたことになる。そこで、TalkBack4.2からは物理キーを利用したTalkBackの一時停止ショートカットが用意されている。
Android端末の音量ボタンのUPとDOWNを同時に長押しすることで、メニューが出てくる。
この警告を常に表示のチェックをはずせば、もちろんOKをタップしなくてもTalkBackが無効化される。再開したいときはボリュームのUPとDOWNの物理ボタンの同時長押しをすることでTalkBackがONにできる。
つまり、TalkBackの設定としてはONにしておき、このショートカットによる一時停止/再開を利用することでKindleを開くまではOFFにしておき、TalkBackに読ませるときだけONにするなどON/OFFに融通が聞くようになる。TalkBackで読ませている間にメッセージがきたりしたときに、一時停止にしてさっとかくにんできるのがとても便利なのでこのショートカットキーはぜひ覚えておきたい。
ただし、この一時停止はあくまで一時停止である。画面がOFFになったあとでONになるとTalkBackが再開されるので注意が必要である。
*1:手順はAndroid6.0.1, TalkBack 4.5.1で確認している