食洗機Panasonic NP-TR9を自力で取り付けよう!
ずっと興味を持っていた食洗機を思い切って買うことにした。昔から料理は好きだけれど、食器洗いはどうも好きになれない。おそらく、自分の中で食器洗いは「誰がやっても結果が変わらない」という思いがあるからだと思う。料理は、自分の今食べたいものを、自分の好きな味つけで食べるというクリエイティブな要素があるが、食器洗いの単調作業は耐えられない。いつも、録画したテレビや動画サービスで映画を見ながらだましだましやってきた。けれど今日、はれてその苦痛から解放される時が来た。
取り付ける食洗機と分岐水栓
我が家の例
- 食洗機:NP-TR9(Panasonic)
- 水栓:JA300LN-NNBH01(takagi)
- 分岐水栓:JH9024(ナニワ製作所)※ 水栓から対応を調べる必要あり
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分岐水栓の選び方
調べていてわかったこととして、蛇口まわりのステークホルダとしては以下4つの立場が関係している。
- (A)水栓メーカー:蛇口や分岐水栓を金属加工によって製造する
- (B)販社:蛇口や分岐水栓をブランディングして販売する
- (C)ハウスメーカー:蛇口や分岐水栓をコンポーネントとして住宅に組み込む
- (D)家電メーカー:食洗機を製造・販売する
これらの4つの立場を見れば、なんとなくその関係が理解できると思う。金属加工を得意とする(A)水栓メーカーはたくさんの人の元に製品を届けるために(B)販社と協力するし、(C)ハウスメーカーはサービス向上のために(A)水栓メーカー及び(B)販社の中から良い水栓を選択して住宅に組み込んでいく。さらに、(D)家電メーカーは家庭向けや業務用の食洗機を販売したいので、食洗機とのインタフェースとなる水栓について(A)・(B)・(C)との協力が必要になるという構図である。なぜこのような話をしているのかというと「水栓の型番」は「どのような背景で製造されたのか」によって「同じ製品でも複数の型番が存在している」からである。
我が家の例で言うと、水栓を製造している「ナニワ製作所」は「takagi」の「蛇口一体型浄水器水栓 みず工房」というブランドに対してOEMで供給している。この型番JA300LN-NNBH01は「takagi」が採番しており、「takagi」が管理している。この表を見て欲しい。
これはtakagiが公開しているtakagiのブランド「みず工房」の分岐水栓対応一覧である。列を見るとtakagiが採番している「蛇口シリーズ」と「タカギ品番」の他に、「他社での販売品番」という列が存在しており、「パナソニック」、「TOTO」の名前がある。つまり、同じ製品でも(D)の家電メーカーと連携している製品については明示的に別名が存在していることを意味している。
出典:「みず工房」食器洗い乾燥機用分岐水栓対応一覧
https://www.takagi.co.jp/support/docs/bunki.pdf
ここからは想像も含んでいるため、裏は取れていないが「蛇口シリーズ」に記載されているものの中には(C)ハウスメーカーと連携しているものもあるように見える。我が家の例でいうところのJA300シリーズという型番は、分岐水栓対応一覧には掲載されているが、takagiの一般向けのカタログには掲載されていない*1。
出典:法人様へ|株式会社タカギ
上にあるように、JA300シリーズはあえて「マンションデベロッパー、ハウスビルダー、キッチンメーカー様など」と書かれた法人向け、つまり(C)ハウスメーカー向けのカタログを開かなければJA300シリーズは掲載されていないのである。
わかりにくいので問い合わせた方が早い
そろそろ混乱してきて読むのをやめようとした人も多いかもしれない。そう、このわかりにくさについてはすでにtakagi側も認識しているようで、FAQはこのようになっている。
このFAQが意味するところは「わかりにくくてごめん!メールか電話で聞いて!」ということらしい。
ちなみにPanasonicの食洗機サイトのサポートからは、こちらのPDFへのリンクがはられている。3カットの水栓の写真を送ると、どの分岐水栓を購入すべきか回答してもらえるらしい。宛先が「株式会社ナニワ製作所 サポートセンター」となっているところをみると、(A)水栓メーカーであるナニワ製作所がこのサポートを請け負っているようにみえる。
わからないものは、わからないと諦めて問い合わせるのが賢明である。
JA200/JA300シリーズ(takagi)の分岐水栓選びの注意
もし、我が家と同じ環境であるJA200/JA300シリーズで食洗機を取り付ける人への注意としては、「CB-STKA6はJA200/JA300シリーズと互換性がない」ということである。takagiの公式資料である上記「みず工房」食器洗い乾燥機用分岐水栓対応一覧に従うと、JA200/JA300シリーズに対応している分岐水栓はJH9024であることがわかるが、このJH9024をAmazonで買おうとJH9024で検索すると、あろうことか「CB-STKA6」が出てくる。これはJH9024とは別物なので気をつけて欲しい。
公式資料から考えてJH9024とCB-STKA6は互換性がない。CB-STKA6はタカギ品番で言うところのJH9014であり、これを利用できるのは蛇口シリーズがA1000/JA1100/JA100シリーズだけである。つまり、CB-STKA6はJA200/JA300シリーズでは利用できない。このことについては「蛇口交換じゃぱん」という水道関連の修理専門店の記事でも言及されている。
ネット上ではJA201MN-NNBN01にパナソニック品番のCB-STKA6も適合するといった間違った記事もあるようですが(今回のお客様も 当店でJH9024を購入する前に別のショップにてCB-STKA6を買ってしまったとのことです)
CB-STKA6は 絶対に適合しません取付不可
お間違えの無いようご注意ください。
JH9024とCB-STKA6は全く構造が違います。
出典:タカギ製 JA201MN-NNBN01に適合する分岐水栓金具 JH-9024|キッチン水栓やお風呂のシャワーの取替え、水道蛇口交換工事、水漏れ修理より交換がおトク! - 店長の部屋Plus+
必要な道具
- モーターレンチ
- 六角レンチ(2.5mm) ※JH9024に同梱
- マイナスドライバー
- ラジオペンチ
- 出版社/メーカー: スーパーツール(Supertool)
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食洗機の取り付けは難しくない
JH9024の内容を確認。本体となるJH9024本体と分岐口のアタッチメントに2.5mmの六角レンチが付随している。本体やマニュアルにはSTKD6(上記CB-STKA6と型番が似ているが別物)と表記してあるが、おそらくこれはナニワ製作所内だけでの呼び方あり、世間一般にはJH9024という名前で流通している。
出典:JH9024 取扱説明書(マニュアル上はSTKD6と表記されている)
代表機種としてJL100シリーズとJA200シリーズしか記載されていないが、今回はJA300シリーズに分岐水栓を取り付ける。JA300シリーズにも対応していることは上記で確認済み。
水は「給水」よりも「給湯」のほうが良さそうだ。これは接続する食洗機にのスペックによる。Panasonicの公式QAを参照する限りでは「給湯」の方が「運転時間の短縮する」という効果があるようなので「給湯」で接続する。利用する食洗機に合わせて「給水」と「給湯」の設定を切り替える必要がある。
ちなみに、JH9024同梱の説明書には「給水」と「給湯」の切り替え方法の記載がある。ただし、「出荷時はお湯がでるようになっている」とあるのでそのまま利用することにする。
出典:JH9024 取扱説明書
まずは、作業開始前に水・お湯ともに元栓をマイナスドライバーで閉めて、水がでないようにする。元栓を締めた後、水とお湯いずれも出そうとしても出てこないことを確認する。
取り外しから。マイナスドライバーのようなものを温度を表す赤と青のプラスチック部分の隙間に差し込んではずす。
この中に2.5mmの六角がささるので、反時計回りに緩めてレバーを外す。
化粧リングは手で反時計回りに回してはずす。
バルブ固定ナットをモーターレンチで外す。
セラミックバルブを引き抜く。けっこうガッチリついているので指先だけだと力が入らず引き抜けないので、作動部(先端の黒い棒)をラジオペンチなどで傷つけないように気をつけながら引き抜く。
JH9024を白い凸部分が、水栓本体の凹部分に合うように収める。ここで少しハマった。どうやっても凹部分まで凸が届かなくて焦った。
いろいろJH9024をいじってみると、JH9024本体は中心部分と外側の部分に分かれるつくりになっているので、少し中心部分を上から押して、届くところまで押し出してから凹凸をあわせると良い。
このタイミングで分岐口をどちらに向けるのかをセッティングする。
ここで一発で決められるのが理想的だが、実際に繋いでみてホースがどこを通っていくのかを確認する必要があるため、おそらく一発では決められない。ここは潔く、もう一度この工程まで戻ってくる覚悟しておく。なぜなら、実際に給水を開始すると、ホースは圧力でパンパンになり、曲がりにくくなるほどに固くなる。分岐口の向きは、一度給水してみてから微調整をするくらいのつもりで良い。
ここからは、最初の外しの工程を元に戻す要領で良い。セラミックバルブを、先ほどと同様に凹凸を合わせて収め、バルブ固定ナットをモーターレンチでしっかり固定し、化粧リングを取り付ける。
フィルターパッキン(金属のメッシュが入った黒い輪)を間にかませて、分岐コックを取り付ける。
あとは洗濯機の給水と同じ要領で分岐コックにホースを接続する。
コックが閉じるの状態になっていることを確認し、元栓の水・お湯ともに開ける。ここでコックを開くと、開いた瞬間に瞬間にホースに給水されホースがパンパンになるのがわかる。ここで、水漏れがないか、分岐しているシンク向けの水とお湯は正常に出るかを確認する。
あとは、食器をセッティングして洗剤を入れてスイッチオン。
業者に依頼すると工賃がかかってしまうところを自力でやることで分岐水栓費用だけで済んだ。自力で取り付けしたので、引っ越し時に原状回復するときも自力でできるし、不具合があったときのメンテナンスにも対応できそう。