ハイドレーションシステムで登山が快適になった話
ライトユーザ向けの比較的難易度が低いと言われる登山ではたまにしかみかけないが、バックパックからホースがのびていて、チューチュー吸って水分を補給している人がいる。これがハイドレーションシステムである。2014年に八ヶ岳登山*1をするときに友人のすすめで買ってみたところ、思いの外使い勝手が良く登山を快適にしてくれた。それ以来、ハイドレーションシステムが気に入ってずっと使っている。
Platypus(プラティパス) ビッグジップLP 3.0L 25130
- 出版社/メーカー: Platypus(プラティパス)
- 発売日: 2014/04/28
- メディア: スポーツ用品
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ハイドレーションシステムの使い方
これがPlatypusのハイドレーションシステム。私は特に汗の量が多く、水分消費が激しいので最も大きい3LのBIG ZIP LP 3.0Lを使っている。一般的には日帰り登山で3.0Lもの水を用意するのは過剰であると思われるかも知れないが、こればかりは個人差がある。他にも1.0Lや2.0Lのタイプも有るので自分に合わせてサイズを選ぶのが良い。私の場合は、前日に水道水を入れておいて常温にしている。
バックパックにはだいたい背中の部分に袋がついているので、水を満たした袋を収める。3.0Lもの大きなハイドレーションシステムだと25L程度のバックパックにはきれいには収まらないが、バックパックの中で動かない用になっていれば特に問題はない。
これも登山用バックパックについているハイドレーションシステムのチューブを外に出すための「H2O」と書かれた穴があるのでそこにチューブを通す。
通したチューブを肩掛けにクリップで止めればハイドレーションシステムの装備完了。仕組みそのものは非常にシンプルな構造になっている。
チューブの先端の弁は二重になっていて、手でくるりと回すと1つ目の便が開く。これで飲める状態になる。登山中は常に飲める状態にしておくのが良い。口にくわえて飲むときは先端のシリコンを上下の歯で噛みながら吸うと袋から水が出てくる仕組みになっている。口にくわえて噛むまでは水が出る心配はない。
ハイドレーションシステムはカッコつけじゃない
自分で実際にハイドレーションシステムを使うまでは「アウトドア派の俺はバックパックから直接チューチュー飲んでますよ、ドヤァー!」というドヤ顔アイテムだと思っていたが、実際にはそうではない。ハイドレーションシステムを使うメリットというよりも、ハイドレーションシステムの機能そのものである「いつでも立ち止まらずに水分が補給できる」ということの利便性を強く感じている。
水分補給の頻度やその量は個人差がある。特に私は汗っかきなので、夏場の登山では尋常ではない量の汗をかく。ゆえに、頻度・量ともに誰よりも多く、数人で登山に行くときには他の人と水分補給のための休憩をとりたいタイミングが合わないことがあった。
数人で登山にいくときの休憩は頻度の多い順に大きく分けて3種類あると思っている。
(A)バックパックを背負ったまま、立ったままの水分補給
(B)バックパックをおろして、座ってエネルギー補給
(C)バックパックをおろして、座って昼食
数人で登山に行くときは、上級者や体力のある人にペースに合わせるとついていけなくなってしまうので、必ず初心者や体力のない人に合わせることになる。となると、自ずと休憩の頻度は多い人に合わせることになる。とはいえ、(A)の頻度が高い自分だけの水分補給のために全員を足止めしてしまうのは気が引けるので、他のメンバとあわせて水分補給を取るようにしていたこともあった。
ハイドレーションシステムを使い始めてからは、歩きながらでも水分補給ができるので、(A)のタイミングを他のメンバと切り離すことができ、飲みたいときに飲める。これにより精神的にも身体的にも非常に楽になる。今では「初心者や体力に自身のない人こそ、ハイドレーションシステムを利用したほうが良い」とさえ思う。ハイドレーションシステムは上級者のためのアイテムではない。初心者でも快適に山登りができるようにするための補助ツールである思っている。
熱中症対策にはこまめに水分を取ることが大切
熱中症対策としての水分補給は「こまめにとる」ことが良しとされている。
2015年8月に公開されているこちらの環境省の公式Youtubeチャンネルによれば、200〜250mlの水分を1時間に2〜4回に分けて補給するのが良いとしている。動画でも紹介されている通り、水分だけでなく塩分の摂取も重要とされているので、ハイドレーションシステムで水分を補給するほか、ナッツやビーフジャーキーなどおつまみのような軽食で塩分を補給すると良い。ハイドレーションシステムは中が洗いにくい構造なので、ハイドレーションシステムの水に塩を混ぜたり、スポーツドリンクを入れることは故障やカビの原因になるためやらないほうが良い。
ハイドレーションシステムの最大の欠点
水がシリコンくさい。
こればかりは避けて通れないが大きな壁である。チューブや袋をきれいに洗って乾かしていればにおいが緩和されると主張する人もいるが、口元の弁がシリコンでできているのでどうしてもシリコン味になってしまう。慣れれば気にならなくなってくるが、このシリコン味に抵抗がある人は残念ながらハイドレーションシステムは利用できないだろう。
毎回洗って乾燥させて片付け、利用するときにはすすいでから使うようにしているが、いつもシリコンくささが残っている。特殊なアイテムでチューブの中まで清掃すればにおいがやわらぐのかもしれないが、まだそこまでは試していない。
このシリコンくささをもってしても補って余りある「いつでも立ち止まらずに水分が補給できる」ことの快適さを経験してみて欲しい。登山がより快適になることは間違いない。
Platypus(プラティパス) ビッグジップLP 3.0L 25130
- 出版社/メーカー: Platypus(プラティパス)
- 発売日: 2014/04/28
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