ゆり根を消費しているのはほとんどが関西であるということを初めて知った
「好きな食べ物は茶碗蒸し」と言うほど茶碗蒸し好きを自称しているのに、スーパーにならんでいるゆり根をみて「これは何か」と言い出すではないか。ゆり根といえば茶碗蒸しに入っている代表的な食材であると私は理解していたので、茶碗蒸しが好きなのにゆり根を知らないというパラドックスに驚いた。嫁は群馬の出身、私は北海道出身ということもありもしかして地域性が有るのではないかと思って調べてみた。
ゆり根はいつでもどこでもスーパーに並んでいるのかというとそうではない。年末になると現れる漠然としたイメージがあった。それは、おせち料理として使われることが多いことに由来しているようである。
独立行政法人 農林水産省日安全技術センター(FAMIC)の広報誌「新・大きな目小さな目(2016年新号 No.43)*1」よれば、やはり、おせち重要から12月の入荷量が多いことがわかる。
独立行政法人 農林水産省日安全技術センター(FAMIC)の広報誌「新・大きな目小さな目(2016年新号 No.43)*2
日本での食用として栽培が始まったのは江戸時代で、明治以降は全国各地で作られていたようだが、現在では栽培に適した冷涼な気候の北海道でそのほとんどが栽培されているとのこと。
本誌で説明している「ほとんど」とはどの程度なのか気になったので一次情報*3にあたってみたところ「食用ゆり」は全国の収穫量1,286トンのうち北海道が1,284トンを占めており、99%は北海道産であることがわかった。もう少し細かく見てみると内訳はこうなっている。
■北海道 1,284トン
真狩村 46% / 富良野市 10% / 幕別町 8%
ホクレンではゆり根を紹介する専門サイトまで用意されている。
ゆり根キャラクターゆりりんもいる。
とても興味深いのは、ゆり根の地域別の市場入荷量である。
独立行政法人 農林水産省日安全技術センター(FAMIC)の広報誌「新・大きな目小さな目(2016年新号 No.43)*4
ほとんどの食用ゆりは北海道で生産されているが、その消費は関西がほとんどであるという。本誌ではその事実のみだけが書かれており、なぜ関西での需要が他地域に比べて高いのかというところまでは言及していないが、京懐石などに出てくる蒸し物にゆり根が多く使われるのだろう。
北海道、東京、京都と住む場所を変えると、同じ日本の中でも言葉も違えば食べるものも違うというあたりはとても興味深い。