じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

31歳SIerからユーザ企業の情報システム部門への転職(9)

 シリーズはこちら。最初から読む方もこちからどうぞ。

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せっかくの機会なので、いろいろな会社に話を聞きに行った。大、小、新興、老舗さまざまである。

■「『大企業からベンチャーに行くのは簡単だが逆は無理』はウソ*1」は本当

ベンチャーに入るのは難しい。入ろうと思っても入れてもらえない。

私はいわゆる大企業と呼ばれている会社で5年半を過ごしてきた。ベンチャーと呼ばれる新興企業の選考も受けたがことごとく落ちた。選考を受けていく中で「求められているものが違う」のだろうということを感じた。やはり、新興企業では0から1を産み出す専門的なスキルとバイタリティが「本人にあるのか」が問われているのだと思う。「本人にあるのか」というのは、「あなた一人でどこまでできますか?」という意味である。これはあくまでも私の勝手な想像だが、一人でなんでも成立させる力があれば、どんな境遇であろうとも採用後もその専門性を活かして間違いなく会社にも貢献してもらえるはずだと考えるのだと思う。

一方、大企業では、あなた一人で何ができるのかということではなく「専門的な技術を持ったメンバーと会話をして、プロジェクト全体を動かせますか?」というところが求められているように感じた。もちろん、専門的な技術について知らなくても良いということではないが、自分一人でなにか作り出せるということよりも、チームとして案件を推進する力があるのかというところが重要視されているということである。ベンチャーでウケるような一人で何でもこなすスーパープレイヤーは大企業においても重要な存在ではあるが、スーパープレイヤーが一人でできることにも限界がある。大企業では自分がプレイヤーとしてなんでも出来ることよりも、たくさんの人を巻き込んでいかにゴールに向かって推進することができるのか、というところは重要視されているのだと思う。

私のように中途半端な知識しかなく、自分一人で何かを作り出すことができないような人間は、到底ベンチャーで活躍できるような人材にはなりえないということを思い知らされた。こちらにも同様のことが書いてある。

ベンチャー的な仕事のやり方についていけず、入社から数日で退職いただいたケースはあります。たとえば仕事へのスタンスが受け身だったりして、自分で考え・行動することができない、仕事のスピード感や自分個人で仕事を完結させるという実行力に難がある、そしてコスト意識が薄い―などがよくあるケースです。

新卒の皆さん!周りの意見は無視しましょう | 熱血キャリア相談 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

そう、結局のところこれらの話は、大企業だからベンチャーだからという議論ではない。これは私個人の問題である。大企業であろうとも専門的なスキルを持ち、あらゆるところから声がかかるようなエースはたくさんいる。もう一度言う。これは個人の問題であって、会社の大小の話ではない。本当に優秀な人はどこに行っても活躍できる。ただそれだけのことである。こんなあたりまえのことにこんな歳になって気がついたのであった。

 

31歳SIerからユーザ企業の情報システム部門への転職(10)に続く。

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