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じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

結局、鉄のフライパンを捨ててテフロン加工のフライパンを買い直した

2015年の12月ごろに、初めて鉄のフライパンを買って数ヶ月使ってみたが、結局テフロン加工の便利さに改めて気づき、鉄のフライパンを捨ててテフロン加工のフライパンを買い直した。私が鉄のフライパンを捨てて、テフロン加工のフライパンを買い直した理由は、端的に言うと扱いが面倒くさいからに尽きる。

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鉄の鍋は一般に他の素材の鍋に比べて耐久性が高いと言われている。中華料理では、強力な火力の中で鉄の中華鍋をあおる様子はおなじみだろう。これほどの強力な火力でも使える鉄の鍋は手に入れたら一生使えるとうたっているサイトも多い。使えば使うほど油が馴染み、自分の使いやすいフライパンになっていく。自分だけのフライパンを育てていくのもまた楽しいのだとか。

一方、テフロン加工の鍋といえば、空焚き厳禁、強火厳禁となにかと制約が多い。あまり意識していない人も多いようだが、テフロン加工の鍋を強火で使ってはいけない。これはテフロンが260℃に達すると劣化を始め、350℃になると分解するという性質に由来している。通常、料理中は260℃に達することはないと言われているが空焚きすると260℃を超え、本来持っているテフロンの性質を失ってしまう。「フライパンがすぐだめになってしまう」「こびりつかないのは最初だけ」こう感じている人はテフロン加工のフライパンの使い方そのものが間違えている可能性が高い。テフロンそのものは、現在発見されている固体の中でもっとも摩擦係数が小さい特殊な素材である*1ため、その性質が発揮されないのは加熱によってテフロンを分解してしまっていると考えられる。

 自分では料理はよくしている方だと自負している。ほぼ毎朝、毎晩料理をし、お弁当も作る。料理の上手い下手の評価は「味」であることに異論はないが、個人的に料理は「効率」も料理において評価される軸として重要である考えている。朝の短い時間で朝食を用意し、お弁当を準備する。帰りしなスーパーに寄って食材を買ってすぐに晩御飯を用意する。料理における時間というリソースの使い方は料理の味に匹敵する指標であると言っても言い過ぎではないと思っている。そんな自分にとって鉄の鍋による強火の料理は「味」もさることながら「効率」にも寄与するのではないかと考えて鉄のフライパンの購入を決めた。 

リバーライト フライパン 26cm 極ROOTS

リバーライト フライパン 26cm 極ROOTS

 

 

山田 打出し 鉄 フライパン(2.3mm厚)26cm

山田 打出し 鉄 フライパン(2.3mm厚)26cm

 

鉄のフライパンは使い始める前に開封の儀が存在する。まずは、工場出荷状態ではサビを防止するための塗料がついているため空焼きして鉄の表面に塗料を除去した上で酸化皮膜を作る。さらにフライパンに油をなじませる作業、油ならしをする。フライパンに油を注いで加熱して、油をポットに戻す。野菜の切れ端などのくず野菜を炒めて鉄臭さを消す。ここまでしっかりやって準備完了。ようやく使い始められる。本当に良い道具というのはメンテナンスが少し面倒だが、重要な作業なのであるというこの感じが中二心をくすぐる。道具を長く大切に使おうとこのときは考えていた。しかし、しだいにこのデリケートな鉄のフライパンのメンテナンスが億劫になり始めた。

鉄のフライパンを使い始める前には、フライパンをしっかり加熱して、油返しをしてフライパン全体の温度を均一にしてから調理を始める。調理が終わったあとは冷めてからたわしでこすり、加熱して乾かし、油を塗布して片付ける。これが意外と面倒くさい。別にプロとして食事を提供しているわけではないのでフライパンを使う頻度などどれほど多くても1日に2回だけである。朝食とお弁当づくりで1回、晩御飯を作るのに1回だけなのである。たった2回しか使わないのにその2回のためにそれぞれ、使い始めと使い終わりの作業が発生することが煩わしくなり始めた。

きわめつけは、これほどまでメンテナンスに気を使っているにも関わらず、食材がこびりつき、鉄のフライパンとしての良さとされる強火を活かしたパラパラのチャーハンもうまく作れなかった。シャキシャキの野菜炒めも程遠かった。一部にはやく火が通ってしまい、美味しい野菜炒めはつくれなかった。メンテナンスは面倒だわ、鉄のフライパンの良さも活かせないわで、鉄のフライパンを使い続ける理由がどんどんなくなっていった。

鉄のフライパンを販売している業者のサイトや、なんとか知恵袋でも「鉄のフライパンを使っていますがこびりついてしまいます」という類の相談が寄せられていることも知っている。回答としては「メンテナンスをしっかりしましょう」「油返しを必ずしてフライパン全体の温度ムラがないようにしよう」「こげグセが付いているフライパンは焼き切って炭化させてからサンドペーパーでこすり落とそう」「購入時に空焼きをしましたか?」いろいろとアドバイスがあるようだった。

やめた。もう、やめた。

メンテナンスをしっかりすれば、これほどよい道具はないと鉄のフライパンを愛用する人々は言った「プロが愛用しているのには理由がある」「プロがテフロンを使っているというのは見たことがない、聞いたことがない」「ガスだろうがIHだろうが鉄のフライパンは使える、IHだからこびりつくなどということはない」「油がなじんでいけば、油の量はそれほど多くなくてもこびりつかなくなる」

きっとそうなのだろう。正しく使って、正しくメンテナンスをすれば、美味しい料理が作れるのだろう。でも私はやめた。私は鉄のフライパンを使い続けることを諦めた。料理は手軽に作って片付けられるという「効率」も「味」と同等に評価されるべきなのだ。私の鉄のフライパンは、私の期待をよそに活躍もせず、ろくに育たなかった。 

そして、結局ティファールが最強という結論である。 強火を使うとテフロンがだめになるので、中火で調理する。強火は使わない。油をひかずとも一切こびりつくことはなく、調理が終わったあとはさっと水で流して拭き取るだけで片付けられるテフロン加工のフライパンは扱いやすさという点で最強なので、やはりここに戻ってきてしまった。取っ手が取れて、使わないときの収納でかさばらないティファールがいかに便利であるかということを、取っ手が取れない鉄のフライパンを購入して気付かされたのだった。

 

<2017/01/22追記>
同様の理由で、鋼の包丁を捨てたのでこちらの記事もどうぞ。

jippahitokarage.hatenablog.com