じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

ミシンは家庭科でしか触ったことがない俺が「スタイルがよく見える!ワンピース&チュニック」を読んで嫁のワンピースを作ってみた

ミシンを使った思い出といえば、家庭科の授業で触った程度。小学生のときはナップザック。中学生になると、お祭りで着る法被。高校生のときはユニクロで一大ブームになっていたフリース生地でパーカーを作った。それ以来ミシンにさわることはなかった。

大きくわけて3タイプの型紙がついた「スタイルがよく見える!ワンピース&チュニック」を参考にPattern Iのフレンチスリーブパターンのワンピースを作ることにした。 

スタイルがよく見える!  ワンピース&チュニック (手作りを楽しむ)

スタイルがよく見える! ワンピース&チュニック (手作りを楽しむ)

 

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ミシンは家庭科でしか触ったことがない。と書いたが、家庭科教育とは大したものだ。ミシンの扱いはよく覚えていた。

<覚えていたこと>
・ミシン関連の言葉(上糸、下糸、ボビン、前身ごろ、後身ごろ…)
・ボビンに糸を巻く方法
・ミシンに糸をセッティングする方法
・ミシンを使った縫い方
・型紙を作って、布を裁って、縫い合わせるという基本的な流れ
・アイロンの使い方

そう、意外と覚えていた。学校教育における家庭科の存在もなかなかあなどれない。ミシンの扱いについては、覚えていたということもあるが、ミシン本体に糸を通すための絵つきのガイドがあるので、見ながら糸を通すことができたといったほうが正しいかもしれない。

逆に、本の中に登場した言葉で知らなかったことはこのあたり。

<知らなかったこと>
・前ヨーク、後ろヨーク
・始末
・ステッチ
・バイアステープ

■前ヨーク、後ろヨーク
ヨーク(yoke)とは*1、洋服の肩・胸やスカートの上部などに切り替えを入れてつける布。装飾や補強のために用いられる。とされている。本では、「皆さんご存知の前ヨーク、後ろヨークで登場するので、なんの説明もない。本の選択が良くなかったかもしれない。おそらく、この本は中級者向けで、それなりに洋裁を楽しんでいる人が新しいカタチを求めてたどり着く本なのだと思う。言葉の説明はほぼない。もう少し易しい本を選べばよかった。

■始末
服は素人には作れない。服は買うものである。という固定概念が完全に覆った。服は布からできるという当たり前のことを再認識し、布は糸を編みこんで作られているという今まで考えたことのない世界に引きずり込まれる。

ワンピースを作る過程で、洋裁は大きく分けて2つのポイントがあることに気づいた。
①強度
②美しさ
①強度は想像に難くないと思う。服としてつくり上げる以上、人の動きに合わせて服も大きく伸び縮みするし、脱いだり、着たりという動作でも伸び縮みする。当然、洗濯機に入れればさらに傷んでいく。そのため、縫い合わせた部分がほつれないように。あるいは、布そのものが端から糸としてバラバラにならないようにしなければならない。袖口や脇の部分など強度を強める必要がある部分は返し縫いをしっかりして、ほつれないようにする必要がある。

また、②美しさという意味では、見せるところは見せる、隠すところは隠すという処理が重要である。基本的に布と布を縫い合わせるときは、布の裏地と裏地を合わせて(中表にする と呼ぶらしい)縫い合わせてから、裏表をひっくりかえしてできあがり、という作り方になるので、縫い目はまったく見えなくなる。さらに、出来上がりの時に布の端は内側に折り込まれることになるので表に全く出てこなくなる。なんだか当たり前のことを言っているようだが、実際にやってみると なるほど!と感動する。内側に折りこまれた布の端は、ジグザグ縫いと呼ばれる形で縫ってから要らない布を裁つ。これは、見えない部分の②美しさのためでもあるが、①強度の意味もある。布をはさみで裁った端は弱く、布がほつれて糸が出てきてしまう。布というものは糸を編みこんでできているんだからそれはそうか。とこれまた当たり前のことに気づく。ジグザグ縫いで布が端からほつれてくることを防ぐ工程、これが端の始末と呼ばれる。布の端の①強度を高め、②美しくまとめる、これが始末である。

■ステッチ
本では解説がなかったが、文脈からなんとなく判断できた。「縫う」と解説されている部分は、見せない縫い目。「ステッチをかける」と解説されている部分は、見せる縫い目である。基本的には、前述の通り縫い合わせてひっくり返す工程があるため、できあがりのときに縫い目は見えない。しかし、腕を通す袖口や首を通す襟などの輪になっている部分はどうやっても縫い目が出てしまう。縫い目が出来上がりの時に見えてしまう、あるいは、装飾としてあえて縫い目を見せて縫うことをステッチをかける と呼ぶ。

■バイアステープ
布の網目の格子に対してななめ45度に裁断した帯状の布のことらしい。この45度の目のことをバイアス地の目と呼ぶそうだ。あえて斜めに裁断することで、伸縮に融通が効くようになるらしくその性質を利用して襟や袖の始末に利用される。ただのまっすぐな帯状の布だが、アイロンをかけると伸縮の特性によりカーブさせることもできる。襟などの強度が必要かつ、カーブしている部分に利用する。

 

できあがりはこちら。

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ミシンの技術が必要なことはさることながら、縫い始める前にしっかりアイロンをしておくことが仕上がりに効いてくることがよくわかった。本の工程では身ごろを縫い合わせてから袖の処理をすることになっていたが、順序を間違えて逆にしてしまったので、袖口がすこしたわんでいる。

*1:デジタル大辞泉より